IMF声明、日本は労働市場の改革を推進し消費税15%に
2016.06.24
平成28年6月20日、国際通貨基金(IMF)は、IMF協定第4条に基づき、各加盟国に対して年1度行う加盟国の経済状況についての協議、いわゆる「4条協議」と呼ばれる対日経済審査を終え声明を発表した。
現状の日本の経済政策では高い経済成長や財政再建の実現は困難であるとして、労働市場の改革を推進すると共に、将来的には消費税率を最低15%まで段階的に引き上げることが必要であるという見解を示した。
これによれば、IMFはアベノミクスを当初は成功したと評価しながらも、反面景気回復は失速したと指摘。日本は消費と投資の両面で低迷し、さらに円高や株価の下落も経済の回復を妨げるとして、今年の経済成長率を約0.5%と予想。このまま、新たな経済対策を講じなければ、来年も0.3%に低下すると予想している。
一方で、高齢化や人口減による国内市場の縮小や、賃上げが十分波及していないことを問題視。外国人労働者の受け入れや、正社員と非正規社員の二重構造の是正など、労働市場の改革と所得政策が重視されるべきであるとした。
また、財政の健全化については「期限までには達成困難」と指摘。消費税増税を再延期したことについてはやむをえないとしたものの、財政健全化までの道筋を立てるべきだとして、消費税率を現8%から少なくとも15%まで毎年0.5%から1%の幅で段階的に引き上げるよう求めた。
日銀が導入したマイナス金利政策については、非伝統的な政策ではあるが、日銀が経済を支える適切な手を打ったと評価したものの、実際経済への効果が現れるのには少なくない時間が必要であるとした。
▼外部リンク
国際通貨基金
http://www.imf.org/external/japanese/
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