三菱マテリアル、強制連行された元中国人労働者と和解!

2016.06.05
民間での歴史問題解決!和解の対象者は3765人!?

平成28年6月1日、三菱マテリアル株式会社(以下「三菱マテリアル」)は、自社の前身である三菱鉱業株式会社(以下「旧三菱鉱業」)の事業所において、第二次世界大戦中に中国人元労働者が労働を強いられたことについて、同日付で3名の元労働者と和解したことを発表した。

三菱マテリアルは、和解に関する調印式において、歴史的責任に対し真摯かつ誠実に、生存する被害者に直接謝罪したほか、1人につき10万人民元(約170万円)の謝罪金を支払うことで合意したという。

第二次世界大戦中の中国人の強制連行を巡って、企業側と被害者が和解文書を取り交わしたのは、これが初の事例となる。民間レベルではあるが、歴史問題の解決方法を示した形となった。

合意の骨子としては、三菱鉱業らが、強制連行された3765人の中国人労働者を受け入れ、劣悪な条件下で労働を強いたことを認め、三菱マテリアルは歴史的責任を認め、深甚なる謝罪の意を表し、被害者らは謝罪を受け入れること。

さらに、三菱マテリアルは本件解決のために設立される基金に金員を拠出し、記念碑建立に協力し、直ちに1人当たり10万人民元の謝罪金を支払うというもの。

なお、今回の和解案の対象となる被害者は実に3765人となり、全面和解が実現すれば、強制連行を巡る和解金の総額で過去最高になる見通し。

中国人強制連行・強制労働を巡る訴訟について

戦時中の中国人強制連行を巡る訴訟は、日本でも少なくない数が起こされているが、原告側の敗訴が相次いで確定している。これは、日本の最高裁が、平成19年4月に、「1972年の日中共同声明で個人の請求権も放棄された」との判断を示したため。

企業に対しても除斥期間の経過等を理由にして、中国人被害者の請求を棄却してきた。が、一方で、最高裁は同種事件で「被害者らの被害の救済に向けた努力をすることが期待される。」とも述べており、関係者に被害者救済も促している。

▼外部リンク

三菱マテリアル プレスリリース
http://www.mmc.co.jp/corporate/ja/news/press/2016/16-0601.pdf

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kakimoto