羽田空港滑走路工事で施工データを改ざんし国交省へ虚偽報告!? 東亜建設、社長辞任へ

2016.05.11
東亜建設、公共事業で痛恨のデータ偽装

平成28年5月6日、東亜建設工業株式会社(以下、東亜建設)は、羽田空港C滑走路の地盤改良工事において、地震発生時に液状化を防ぐ薬液注入量を、工事の際、実際に注入された量より過大にデータを改ざん。

設計段階で予定していた薬液を注入し仕様通り完成したと、国土交通省に虚偽の報告をしていたことを発表した。

日本経済新聞によると、

「計画の段階では薬液約1250万リットルを注入する予定だったが、実際に工事の際に注入された薬液の量は本来の5.4%に過ぎなかった」(日本経済新聞より引用)

ということだ。

同省は「羽田空港の通常運用は構造上、問題はない」とし、同社が請け負ったほかの工事でも改ざんがないかどうか調査している。改ざんを指示したのは、当時の東京支店長で執行役員常務だという。横浜市で記者会見した松尾正臣社長は、関係者に多大な迷惑をかけたことを謝罪した。

また、6月の株主総会後、代表取締役社長から代表取締役会長に就く予定だった松尾氏は、この問題の責任をとって辞任し、会社法上の機関ではない相談役に退く。

東亜建設が開発した「バルーングラウト工法」とは

東亜建設が今回採用したのは、滑走路の外側から地中に穴を掘り、そこに差し込んだ管からバルーンなどを使って薬液を注入するという「バルーングラウト工法」。

薬液注入固化工法の一つで、恒久型薬液を浸透固化させ地盤改良する工法。今回のような既往施設直下地盤の液状化対策のほか、供用中岸壁の裏埋め土砂の吸い出し対策や止水対策工事に適用可能な工法である。

地盤内に設置したボーリング孔より、薬液を低圧にて注入することで地盤の強度を増大させるというもの。既設構造物を傷めず、かつ、その稼動を止めることなく施工を行うことができる。

また、工場等、比較的狭い箇所での施工が可能という利点もある。均質な改良地盤を形成するために東亜建設の独自技術が使われているという。

本来の計画と乖離した工事、予定通りいかず

当初東亜建設は、地盤改良工事において、

「地面に埋め込んだ管から薬液を注入し、粒子を結束させた直径2メートルの『改良体』を1万450個作る予定だった」(産経ニュースより引用)

という。

しかし、地中に存在するコンクリート片などが障害物となり、計画通りに薬液を注入するための穴を掘ることができず、薬液を十分浸透させることができなかった。

これが原因で、

「改良体は約5700個しかできず、できたものも直径2メートルには満たなかった」(産経ニュースより引用)

ということだ。

東亜建設はデータを改ざんし、あたかも仕様書通り施工できたかのように偽装し、国交省に虚偽報告。完成検査を受け、引き渡した。同工法は福岡空港や松山空港などでも用いられている。

今年4月、孫請けの作業員が下請けを通じて東亜建設に改ざんを通報。同21日に代表取締役社長である松尾氏に、同25日には同社の経営会議で報告されたという。

▼外部リンク

東亜建設工業株式会社
http://www.toa-const.co.jp/

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高野勤一
高野勤一