熊本地震影響大きく、労働相談5,500件!生産停止・雇用に懸念

2016.05.13
熊本地震によるダメージ大きく、雇用にも悪影響

平成28年5月7日、熊本地震の影響で、勤務先が被災して強制休業となり、仕事がなく休んでいる人などから、熊本労働局に寄せられた相談が約5,500件にも上ることが判明した。「休業中の補償は受けられるのか」といった内容が過半を占めるという。

熊本県では被災して生産を停止した工場が相次ぎ、中小企業では事業再開の見通しが立たないところも多い。「会社から連絡がない」との相談もあり、今後、雇用不安が拡大する恐れすらある。

労使双方に朗報となる特例措置

今回の地震では雇用保険失業給付の特例措置として、雇用保険に6ヶ月以上加入している等の要件を満たしている者に限られるが、熊本県内の会社で勤務していた者であれば、災害により会社が休業し賃金が支払われない場合や、事業再開後に会社に戻ることを約束して一時的に離職した場合でも、本来倒産や解雇時などに限られる失業給付が受けられる。

また、取引先の地震被害のため、原材料や商品等の取引ができない場合や交通手段の途絶により、来客がない、従業員が出勤できない、物品の配送ができない場合など、地震に伴う「経済上の理由」により休業を余儀なくされた企業が、従業員に休業手当を支払った場合、雇用調整助成金の補助対象となる。

地震の爪痕深く、事業再開までに少なくない時間必要

企業の事業停止や縮小により、熊本県では一時的に仕事のない人が増加。熊本労働局は4月下旬から専用の電話や相談窓口を設けて対応している。

5月5日までに失業給付に関するものが約3,600件、助成金は約1,000件の問い合わせがあり、計約5,500件もの問い合わせがあった模様。「本社は別の場所だが、熊本の拠点が被災した場合は補助の対象になるのか」との相談もあった。

熊本労働局の電話には問い合わせが殺到し、ハローワークにも長蛇の列ができているという。熊本労働局の担当者は「避難所で暮らす人も多く、労使とも仕事を再開するには時間がかかる。5月中旬以降、失業給付と助成金の申請が増えるのではないか」と話した。

(画像はイメージです)

▼外部リンク

政府からのお知らせ 雇用保険失業給付の特例措置に関する情報
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/pdf/kumamoto_earthquake.pdf

熊本県
http://www.pref.kumamoto.jp/Default.aspx

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高野勤一
高野勤一