海外では浸透しているフレックスタイム制って何?
2017.04.28
フレックスタイムとは、労働者が自分の出社時間や退社時間などを決めて働くことのできる制度です。働く時間の設定に融通がきくため、取り入れている企業は求人などでも人気があります。
通常は労働基準法により1日8時間、1週間40時間を一定期間として労働時間を管理しますが、フレックスタイム制度では1ヵ月以内の一定期間を清算期間としてその中で労働時間を管理します。
1ヵ月の勤務時間を超過した分は時間外労働として手当を支給します。ですから、企業も労働者も1日の労働時間や1週間の労働時間に縛られることがなくなります。
フレックスタイムは出社や退社時間を働く側で自由に設定することができます。ですから、仕事が深夜に集中してしまうなどの場合、翌日の仕事の開始を遅らせることができます。
出勤や帰宅の際の通勤ラッシュや交通渋滞を避けて通勤をすることができます。また、子育てをしている場合の保育園や幼稚園などへの送り迎えや子供が熱を出した場合の急な対応をすることができます。
また、銀行や役所などへの手続きなど、日中に行うことが必要な手続きを行うこともできますね。個人のライフスタイルに合わせて仕事をすることができる制度だと言えるでしょう。
また、労働者の仕事の実情に合わせた働き方ができるので、雇用者側にも、残業代を削減できるというメリットがあります。
フレックスタイムのデメリットとしては、出勤時間が不定期になることがあるため、顧客への対応が必要な場合にレスポンスが遅くなってしまうことがあります。
また、部署内や同僚間のミーティングやコミュニケーションがとりづらくなる可能性があるというデメリットがあります。対策として、1日の中で必ず出社すべき時間を定めた「コアタイム」を設定することが行われています。
また、問題点として午前中や午後だけ働く「半休」とコアタイムの兼ね合いが問題になることがあります。半休自体には法律的な規定があるわけではないので、コアタイムの半分と規定するなど就業規則で決めることで解決が可能です。
職場にフレックスタイム制度を導入するには、企業側が労働組合や労働者の代表と労働条件に関する労使協定で明記する必要がります。一般に36協定と呼ばれるこの労使間の協定の中でフレックスタイムの清算期間や総労働時間、コアタイムなどを決定します。
同じことを社内規則にも明記することでフレックスタイム制度を導入することができます。労働基準監督署への届け出をする必要はありません。
働き方や仕事の時間が多様化している日本の社会では、労働の長時間化による労働者の生活への影響や残業代の増加による企業の収益への影響など様々なマイナスが生じています。
その様な状況の中で出社時間や退社時間を労働者がコントロールできるフレックスタイム制度は労使の双方にメリットをもたらします。
仕事の円滑化や会社内のコミュニケーションなどに障害が出ない様に配慮する必要はありますが、労働力の減少も懸念される中、労働環境の効率化や改善のためにも役立てていきたい制度ですね。
(画像は写真AC:https://www.photo-ac.com/より)
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