福井労働局、中国人実習生に違法残業させた疑いで縫製会社を捜索
2016.06.19
平成28年6月14日、外国人技能実習制度で受け入れた中国人の技能実習生に対し、1ヶ月100時間を超える労使協定に違反した残業をさせた疑いがあるとして、福井労働局は労働基準法に基づき、福井県勝山市などの縫製会社を一斉捜索した。
労働局によると、捜索を受けたのは福井県の勝山市や大野市にある8つの縫製会社で、いずれも株式会社ラコーム(以下「ラコーム」)の関連会社であるという。勝山市のラコームには、労働基準監督署の職員ら8人が午前9時20分すぎに入った。
8社には昨年10月から今年2月にかけて、中国人技能実習生約40人に労使協定で定めた月50時間の残業時間を超えて、時間外労働をさせた疑いが持たれている。100時間超の残業もあったとみられている。
時間外労働または休日労働をする場合には、労使間で協定を締結しなければならないと労働基準法36条は定めている。この協定がいわゆる「36協定」だが、締結していたとしても、無制限ではなく上限が存在し、これを超える場合は違法となる。
労働局は、同社などが違法な残業を隠すため、実際の労働時間を別の帳簿で記録・管理し、時間外労働分は外注費として計上したとみている。
今回の件に対し中国のネット上では、一部で「悪徳な会社だな」と批判する声があったが、「100時間程度の残業は大したことではない」など中国国内の違法残業はさらに深刻だと指摘する声の方が多かった。
中には、「中国国内より日本国内の方が守ってもらえる」という声や、「日本に行く実習生の多くはお金を稼ぐのが目的。残業して多く稼ぐのは彼らの願いでもある」という声まで聞かれた。
▼外部リンク
B-NET国際支援協同組合
http://www.b-net.asia/index.html
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