平成27年度総合労働相談、「いじめ・嫌がらせ」が4年連続トップ
2016.06.11
「個別労働紛争」とは、労働条件や職場環境に関する事項についての、個々の労働者と事業主との間の紛争をいい、近年、雇用形態の変化などに伴い増加傾向にある。
この個別労働紛争の解決を図るために、都道府県労働局が無料で、総合労働相談コーナーにおける情報提供・相談、都道府県労働局長による助言・指導、紛争調整委員会によるあっせんを実施している。これら3つの制度を総称し「個別労働紛争解決制度」という。
平成27年度総合労働相談の件数は8年連続で100万件を超え(前年度比0.2%増)と高止まりしていることが明らかになった。
ただし、助言・指導申出件数は8,925件(前年度比5.8%減)、あっせん申請件数は4,775件(前年度比4.7%減)と減少した。
総合労働相談のうち、民事上の個別労働紛争の相談件数は245,125件(前年238,806件 前年度比2.6%増)、内容では、「いじめ・嫌がらせ」が66,566件(前年62,191件 前年度比7.0%増)と4年連続最多となった。
いじめ・嫌がらせに係る助言・指導の事例として、申出人が、先輩社員から「のろい」「気が利かない」「やめたらどう」などと侮辱的な発言を受けており、店長に相談したにもかかわらず、「口が悪いから」というだけで対応をとらなかったケースが挙げられている。
このケースは、事業主に対し、パワーハラスメントの提言で示されている行為類型(2)侮辱にあたる可能性があると説明し、会社の責任が問われる可能性もあることから助言を行った。事業主は責任者から先輩社員に注意し、申出人の意向どおり先輩社員と別の部門に異動することが認められた。
これら労働紛争の解決のために、厚生労働省から委託された公益社団法人全国労働基準関係団体連合会(全基連)が、全国で個別労働紛争解決研修を開催している。詳しくは下記外部リンクを参照してほしい。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
厚生労働省 プレスリリース
http://www.mhlw.go.jp/file/0000126541.pdf
公益社団法人全国労働基準関係団体連合会「個別労働紛争解決研修等の事業」
http://zenkiren.com/jutaku/kensyu.html
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