_大阪市 全24区役所宿日直専門員の仮眠時間賃金1.5億支払いへ
2016.04.28
25日、大阪市は、3月25日西野田労働基準監督署から福島区長に対し行われた労働基準法及び最低賃金法違反の是正勧告に対し、是正報告を行ったと公表した。
この事案は、大阪市が区役所宿日直専門員の報酬について、宿日直業務の仮眠時間は賃金の支払対象とならない時間と評価し、支払っていないことが、最低賃金未満の支払いしかなされていないと認定、是正勧告を受けたものである。
宿日直専門員の業務は、区役所の業務時間外の時間帯(平日17:30~翌9:00及び休日)について、庁舎の施錠・巡視、戸籍などの文書の受付などである。
大阪市は、夜間対応については2名体制での勤務のため、0:00~6:00の間で交代で仮眠時間を取る(うち30分は巡視)ことを定めている。そのため、実際に仮眠を取っている時間は勤務から解放されているとし、賃金の支払対象とはならない時間と評価していた。
しかしながら、労働基準監督署は今回の調査によって、完全には勤務から解放されていないと判断した。
福島区役所では仮眠時間中は2人同時に仮眠し、夜間の来客があった際のインターホンによる呼び出しによって、どちらかの宿日直専門員がその都度起きて対応している実態があったためである。
大阪市は、今回の是正勧告を受け、過去2年分(平成26年4月1日~平成28年3月31日)の勤務に係る賃金について、既に支払っている賃金額との差額をさかのぼって支払うことを決定した。
今回の遡及支払に伴う支出見込み額は、福島区では約850万円、24区全体では約1.5億円である。
平成28年度以降の対応については、各区役所において最低賃金法第7条による最低賃金の減額特例許可手続きを行うと公表した。
(画像は大阪市HP「報道発表資料」より)
▼外部リンク
大阪市 報道発表資料
http://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/shimin/0000352897.html
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