女性活躍推進のメカニズムを解明する調査結果

2017.03.07
「女性の働くを科学する」プロジェクト

トーマツ イノベーション株式会社は、中原淳氏との共同調査研究プロジェクト「女性の働くを科学する」にて実施した、労働に関する調査の結果を3月3日に発表した。

トーマツ イノベーションは中堅中小企業を中心に、人材育成や人材戦略に特化したコンサルティングを行っている。

中原氏は、人材育成研究の専門家であり、東京大学 大学総合教育研究センター 准教授で、NPO法人Educe Technologies 副代表理事である。

今回の調査は、男女それぞれ、管理職・リーダー・実務担当者の計6つの属性に対して、「仕事との向き合い方」、「職場や企業など取り巻く環境の実態」などについて実施された。

女性の仕事観、昇進への課題

調査から、実務担当者の時期において、男性社員より女性社員の方が「やりがいのある仕事」を求めているという結果になった。

しかし、男性社員の方が「成長につながる仕事」を任せてくれる上司がいるという回答の割合が高く、労働環境の実態としては、男性中心の企業文化の存在が浮き彫りとなった。

また、その職場で働き続けたいと思うかどうかについて、女性が重視するのは「平等、誠実」であることや、「残業見直しの雰囲気」のあることであった。

「既婚女性や育児中の女性の働き方をサポート」、「女性の昇進を奨励」するといった、よくある「女性活躍推進の施策」は必ずしも女性の支持を得られてはいない結果となっている。

リーダーになること、昇進することについても、男女で意識が異なる。

男性も女性も、リーダーになりたてのころは戸惑いを感じるという結果となっているが、女性は「曖昧な状況や葛藤、板挟み(メンタルタフネス)」などに課題を感じることが多いようだ。また、「ビジネスで成功した女性は妬みを買いやすい」と感じる傾向が強いことも分かった。

昇進に関しても「上司のために役職を引き受けざるをえない状況になった」という回答が、男性に比べて高くなっている。

女性活躍の推進

今回の調査結果から、女性と男性では仕事観や職場観が大きく異なることが分かった。

この調査結果を受けて、「女性の働くを科学する」プロジェクトでは女性活躍を推進する教育プログラムを開発、人材育成の観点から企業の女性活躍推進を支援していくとしている。

(画像はトーマツ イノベーション株式会社ホームページより)

▼外部リンク

デロイトトーマツグループ ニュースリリース
https://www.ti.tohmatsu.co.jp/

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高安仁志
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