建設業界は深刻な人材不足?!有効求人倍率が再び4.71倍に
2016.09.21
ヒューマンホールディングス株式会社の事業子会社で、「人材紹介」「エンジニア派遣」「行政・自治体向けアウトソーシングサービス」に特化した就職・転職支援会社であるヒューマンタッチは、最新の人材市場に関する公的データをまとめた 『ヒューマンタッチ総研~Monthly Report 2016年9月』を発表した。
これには、建設業に特化した人材関連の様々な情報、最新の雇用関連データもまとめられており、ここでは特に建設業界についてダイジェストでふれる。
厚生労働省の公共職業安定所における求人、求職、就職の状況を取りまとめた統計による一般職業紹介状況から、建築・土木・測量技術者(以下「建設技術者」)と建設・採掘の職業(以下「建設技能工」)の有効求人倍率の月別の推移をまとめたものが下の図表である。
これによれば、建設技術者の有効求人倍率は上昇傾向にあり、昨年5月の3.56倍から今年2月の4.71倍まで上昇し続けていた。その後、今年4月にかけてやや低下し、4.10倍まで一旦落ち込んだものの、翌月から再び上昇して以降、急上昇を見せ、7月には再び4.71倍に達した。
このことから、直近1年7ヶ月の間、建設技術者の有効求人倍率は多少上下することがあっても、基本的な流れとしては上昇傾向が続いてることが認められる。この傾向は、建設技能工にほぼ同様の推移となっている。
つまり、完全に就職売り手市場であるとともに、建設業各社は人材確保が非常に困難な状況になっていると考えられる。
上記のような人手不足を背景に、建設業界でも外国人労働者が急増している。上の図表を見れば分かるように、建設業で働く外国人労働者数は13,102人だった平成24年から、平成27年には29,157人と僅か3年で倍増している。
このうち、18,883人が技能実習生であり、実に6割以上を占めている。外国人の活用が建設技能工を中心に進んでいることが読み取れる。将来的には、外国人の活用が建設技術職においても進むのではないかと思われる。
これによれば、建設業の就業者数は前年同月比99.2%にあたる494万人、雇用者数は同100.0%の405万人とほぼ前年と同様の水準であった。
一方で、新規求人数は前年同月比98.8%にあたる64,035人であり、やや減少した。
建設技術者の有効求人倍率は前年同月比0.73ポイント上昇の4.71倍で、前年同月を14ヶ月連続で上回る結果となった。有効求人数でも前年同月を8ヶ月連続で上回っており、建設技術職への需要は高水準な状態が継続している。
建設技能工の有効求人倍率は前年同月比0.39ポイント上昇の3.34倍で、で前年同月を15ヶ月連続で上回る。有効求人数も同様で前年同月を8ヶ月連続で上回り、建設技能工への需要も高水準が状態が継続している。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
PR TIMES ヒューマンのプレスリリース
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000253.000005089.html
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