世界の若者は意外に就職に対して楽観的?!アデコグループ、就職に対する意識調査の結果を発表

2016.08.16
就職に対して、若者たちは楽観的?!

平成28年8月12日、世界最大級の人材サービス企業であるアデコグループは、8国際ユースデーである同日に合わせ、今後労働市場へ足を踏み入れることになる若者たちを対象に、就職に対する考えについての調査を実施した。

この調査の結果は、一般に若者の雇用について言われていることとは大きく異なり、大多数の若者が就職先を速やかに見つけられると考えており、理想の職業に就くために必要なスキルをすでに備えていると考えていることが判明した。

アデコグループは、仕事の世界に対する期待や、労働市場で必要とされるスキルをよく理解しているかどうかについての調査を、世界13カ国で18歳から30歳までの若者9,572人を対象に行った。

調査の結果によれば、卒業後1年以内に就職先を見つけられると考えているのが、なんと77.47%と回答者の約8割にもあたることが判明した。

調査対象国中で、卒業後1年以内に就職先を見つけられると考えている若者の割合が最も高かったのは、実に89.66%とほぼ9割のスイスで、次いで84.38%のアメリカであった。

逆に割合が最も低かったのは、スペインの57.84%であるが、同国は若年層の失業率が45.8%と実に5割近いのを考えれば、当然の結果と言えよう。

また、在学中に自身が就きたいと考える職業で必要とされるスキルを身につけていると考えている回答者が73.08%にものぼった。このことについて、最も自信を持っていたのはドイツの若者で、89.11%と実に9割近かった。一方で、最も自信が低かったのは日本の若者で、31.54%と5割を切っていた。

将来の仕事で必要になると考えるスキルとしては、56.68%の「外国語の能力」と53.70%の「実践的な職務経験」が最も関連性が高いとされ、次いで「デジタル関連のスキル」が41.48%で3位となった。

このほか、68.45%の回答者、つまり3人に2人以上が理想の職業があるとしており、その職業に就くために最も必要なスキルについての質問には、「実践的な職務経験」が50.62%で再び1位となった。

今後の10年間で若者たちが目指すことを10段階で評価するという設問では、「安定した収入の確保」が7.33ポイントで1位となり、次いで7.16ポイントで「理想の職業に就くこと」が2位、「社会で大きな責任を果たす会社への就職」が6.23ポイントで続いた。

雇用者側が感じている人材のミスマッチという悩みとは異なる実情?!

今回の調査で判明した若者たちのこうした楽観的な考え方は、実に40%の雇用者が、事業を運営していく上で必要なスキルを備えた人材がいないと考えているが故に、驚愕せざるをえない結果であった。

しかしながら、今回の調査では、若者たちはキャリアをスタートさせるために必要なことの優先順位を理解しており、正しい方向に向かっていることが判明した。

激動を続ける現代においては、知識や理論といったハードスキルは急速に過去のものとなってしまい、現代の職場ではいわゆるソフトスキル、つまり創造性や常に学び続ける意欲、社会的知性などがますます重要になっている。

このようなソフトスキルを伸ばすために、実践的な職務経験は必要不可欠であり、アデコグループが行った過去の調査を見ても、職業訓練のシステムを確立しているスイスやドイツをはじめとした国々ほど、若者の失業問題への取り組みが奏功していることが分かる。

短期的な支援としては、民間セクターが若者にガイダンスやインターンシップの機会を提供することが求められる。一方で、中期的には構造改革を進める必要があり、従来の公的な教育システムを改定するだけでなく、例えばアプレンティスシップ(徒弟制度)のような職業訓練スキームと統合していくことなどが考えられる。

▼外部リンク

PR TIMES アデコ株式会社のプレスリリース
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000288.000001264.html

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月山哲也
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