現金給与総額が11ヶ月ぶりのマイナス、一方で実質賃金はプラス
2016.07.10
物価の下落を受け、実質賃金4ヶ月連続プラス
平成28年7月8日、厚生労働省は、従業員5人以上の事業所を対象とする5月の毎月勤労統計調査(速報値)を発表した。
今回の調査によれば、基本給や残業代などを合計した名目にあたる従業員1人当たりの現金給与総額は、26万7,933円で前年同月比0.2%減となった。
マイナスとなったのは、昨年6月以来11ヶ月月ぶり。一般労働者の給与は増加したものの、労働時間が短くなったためにパートタイム労働者の基本給の減少したことが響いた。
一方で、実質賃金指数は前年同月比0.2%増と4ヶ月連続のプラスとなった。これは実質賃金の算出に使う5月の物価指数が0.5%下落し、給与の下げ幅より大きかったため。
厚労省は、給与が低水準であるパート労働者の割合が上昇したために、全体の賃金水準を押し下げたとしている。このほか、通勤手当や賞与などの「特別に支払われた給与」が9,727円と、4.1%減少したことの影響もある。
パート労働時間の減少幅、3年2カ月ぶりの大きさに
5月のパート労働時間の減少幅は、4月の確報値と並び前年同月比2.4%と、平成25年3月以来となる水準であるという。
業種別に見ると、製造業が円高の影響を懸念され前年同月比で2.6%減。4月の1.4%を上回る減少幅となった。減少幅が10%を超えた建設業のほか、2ヶ月連続で減少した卸売・小売業など、幅広い業種で労働時間の減少が目立った。
▼外部リンク
厚生労働省 報道発表資料
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/.html
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