国内企業の3分の2が後継者不在!? 2016年後継者問題に関する企業の実態調査結果発表!

2016.03.04
帝国バンク、3回目の調査結果発表!

2016年2月29日、帝国データバンクは、146万社を収録した企業概要データベースCOSMOS2並びに170万社を収録した信用調査報告書ファイルから、分析可能な28万9937社(全国・全業種)を対象に、2014年以降の後継者問題に関する実態について調査した。

同調査は初回の2011年12月26日、2回目の2014年7月29日に続き3回目となる。

社長の平均年齢の高齢化、過去最高を更新!

同社発表の『2016年社長分析』において、社長の平均年齢は過去最高の59.2歳。1990年の調査開始以降、一貫して上昇している。また、2月時点の『人口推計(概算値)』では、国内の高齢者(65歳以上)人口は3414万人で、その比率は26.9%と、実に4分の1以上まで上昇している。

社長業においては、60歳ではまだまだ現役とも言われるが、事業承継を蔑ろにしていては、10年20年後の会社成長は望むべくもない。まして、日本は起業が少ない(世界水準的に見ても最低レベル)ことを考えれば、円滑な事業承継は、日本経済にとって重要な課題といえよう。

7割に迫る後継者不在

後継者の有無を集計すると構成比 33.9%にあたる9万8224社が「後継者あり」となっている一方で、66.1%にあたる19万1713社が「後継者不在」であることが分かった。これは前回調査時からは0.7pt上昇し、前々回調査と比べても0.2pt上昇していることになり、その割合は上昇傾向にある。

実に国内企業の3分の2が後継者不在というのが、日本経済の現実である。

非同族への後継者指名がトレンド!?

「後継者あり」とした企業9万8224社について後継者は「子供」が構成比 38.6%で最多となった一方で、「配偶者」は 8.9%となり、前々回時と比べほぼ半減。代わって構成比が上昇したのが「非同族」で32.4%、前々回調査からは 5.8pt上昇した。すなわち、後継者候補の3人に1人は同族外の人物が選定されているという結果となった。

これは同族外への承継にも利用可能となった『事業承継税制』の導入など、政策的な後押しが要因とみられ、一定数の企業では後継者問題の解決に繋がっているとみられるが、全体の後継者不在率の改善とはなっておらず、さらなるサポート体制が必要であるとみられている。

(画像はイメージです)

▼外部リンク

株式会社 帝国データバンク
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p160204.html

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高野勤一
高野勤一