整理解雇は他の解雇と何が違うの?

2017.06.27
解雇とは?

解雇とは、雇用契約を解除することです。労働者に問題がある「普通解雇」、「懲戒解雇」、そして企業側の一方的な理由が原因である「整理解雇」があります。

労働者の待遇を守る義務がありますので、簡単には解雇できません。解雇されても仕方がない行動、何度も注意したが改善の余地がないなど、誰が見ても解雇以外に方法がない状態のことを客観的合理性、社会通念上の相当性といいます。

労働契約法で、上記を満たせば解雇が正当だと認められます。

解雇の種類

1.普通解雇
この場合、就業規則、雇用契約に基づき、雇用者が求める働きが期待できない、従業員の勤務態度不良などが理由の解雇です。企業により普通解雇のルールが違うため、不当解雇と取られやすいシステムです。

2.懲戒解雇
横領、犯罪や不正などが理由の解雇です。罰としての解雇となり、記録に残り、再就職が難しくなります。退職金や失業による手当も受け取ることができません。

3.整理解雇
企業の業績不良、事業縮小が理由の解雇です。人件費圧縮のための人員削減による解雇は、上記の2つと性質が異なります。

整理解雇をするには

整理解雇を行うには、「整理解雇の四要件」を満たさなければなりません。ポイントは、「人員整理の必要性」、「解雇回避努力義務の履行」、「被解雇者選定の合理性」、「解雇手続きの妥当性」の4つです。

簡単にまとめると、どうしても人員整理しなければならない理由があり、希望退職者の募集、報酬カットなど努力を尽くし、解雇の人選基準が合理的で公平、そして整理解雇について従業員から納得を得られるようにするといった内容です。

本来は「整理解雇の四要件」をすべて満たさなければなりませんが、中小企業の経営不振など、場合によっては4つの要件を満たしていなくても認められることもあります。

整理解雇の場合、退職金が貰える?

退職金の規定があれば貰えます。ただ、払う義務はないので、貰えない場合は失業手当制度を利用しましょう。

退職理由が自己都合か企業都合かで貰える退職金が変わり、100万円ほど差額がある可能性もあります。退職金は、「1ヶ月分の基本給×勤続年数×給付率」で計算されます。

給付率は、企業により変わってきますが、平均すると自己都合退職の場合は58%、企業都合退社の場合は67%になります。

特に理由もなく解雇となった場合は、企業の指示通り動くと損をしてしまうこともあります。労働者は法的に守られているので、自分の状況をしっかり見極め、突然の解雇、不正解雇に備えておきましょう。

(画像は写真ACより)

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