従業員が心の病気になったら?

2017.06.27
心の病気は確実に増えている

うつ病などの心の病は昔と比べると確実に増加傾向にあると言われております。2006年に実施した調査でも上場企業の6割以上が増加傾向にあると回答しており、他のアンケートなどもほとんど同じような増加を促す結果が見えてきているのです。

この裏側には不景気やブラック企業が無くならない、ハラスメント行為が減らないといった日本経済の闇が照らされることが無いという実態が隠れているのですが、本来なら心の病も病気の一種なのできちんとした対応をするのが正解となっているのです。

心の病によるトラブルも増加中

今の若い人たちは辛抱や我慢が足りないと思ってしまう人たちも多いかもしれませんが、現代の若者は会社に対する帰属意識は昔と比べるとはるかに低いです。

「会社のためなら」とか「上司のためなら」と理不尽に順応する人は減少し、明らかな違法行為であると判断した場合は泣き寝入りはせずに戦うことを選ぶ人が増加しております。実際に、精神障害などの労災請求の数も増え続けており、発覚する心の病関連トラブルも増えているのです。

つまり、長時間労働やハラスメント、並びにメンタルヘルスの不足からうつ病などに発症した社員が出た場合は、どんなに会社側がごまかそうとしても対決姿勢を崩さない若者が増えたことから、大きなトラブルとなってしまうことがあるということです。

発症させてしまうことがアウトである

最初に言えることは、発症させてしまった時点でその会社はアウトに該当するということです。うつ病などの心の病を診断されたのなら、まずは休ませる必要があるのですが、休職させたとしても訴えられる可能性があります。

そのため、発症者がいたのならしっかりと状況を把握するためにも、発症者の主治医と連絡が取れる状況を整えてください。可能なら診察に同行して健康状態を把握するのも重要ですが、断られるケースも多いので、最低でも医師と連絡が取れる形をとり、文書で記録を残しましょう。

また、診断書も傷病手当金の手続きには必要になりますので、必ず書いてもらってください。傷病手当金をもらう社員もこの診断書の有無で手当がもらえるかどうかも変わってきてしまうので、診断書の手続きは必須となります。

そして、休業中は社員に給与を払う必要はありません。法律で決められていないので無給でも問題ないのです。ただし、傷病手当金をもらうことができるので、受給手続きに協力する必要はあるでしょう。

社会保険に加入することで傷病手当金は受け取ることができますが、休業中でも会社側は社会保険料は払い続ける必要があるので、会社側が立て替える等の措置も必要となってきます。

休職に追い込まれてしまった社員が出ると、仕事の引継ぎなども必要になり、このように金銭面や手続き面でも色々と処理や処置が必要になりますので、発症者が出ない環境を作り上げることこそが正解であると理解していただきたいです。

(写真は写真ACより)

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新免武三
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