仕事に役立つ!労務裁判の傍聴
2017.06.16
労働問題は、当事者である使用者と労働者の間で解決できることが望ましいですが、お互い主張がありますので、当事者だけでは解決しないこともしばしばあります。
しかし、未解決のままにしておくわけにもいかないので、当事者で解決できない場合は法的な手段を用いて労働問題の解決を試みます。法的手段として用意されているのは、労働裁判と労働審判、斡旋の3種類です。
労働問題を扱う裁判手続きなので労働裁判と言われますが、労働裁判という手続きが存在するわけではなく、通常の民事訴訟手続きのことを指します。
扱う事件が多い裁判所には労働問題専用の部署もあり、その部署が担当する裁判のことを言います。
労働裁判はどちらが勝つにせよ、必ず決着がつきますので解決手段としては最適ですが、通常訴訟は時間と費用が必要になります。事実の認定から始まりますので結審まで1年もかかることもあります。
労働審判は、労働裁判と同じように裁判所を通して行う手続きですが、労働分野に専門的な知識がある労働審判員が事件を担当するため、通常訴訟に比べてより専門的な手続きとなります。
また、3回以内の手続きで終了させることを目的としているため、通常2~3ヶ月程度で手続きが終了し、費用も労働裁判の半分程度です。
しかし、労働審判で決着がつかなかった場合は、通常の民事訴訟の手続きに移行します。
各都道府県に設置されている紛争調整委員会を通して行う手続きです。裁判所を通しませんが法的手段の一種です。斡旋は、迅速な解決を目的としていますので、裁判所の手続きと比べて簡単です。
しかし、斡旋は必ずしも決着がつくわけではありません。双方の主張をもとに紛争調整委員会は斡旋案を提示しますが、強制的なものではないため拒否しても問題ありません。
裁判所で行われる手続きは原則公開されますので、利害関係人でなくても傍聴することができます。労働裁判も通常裁判ですので傍聴することができます。
しかし、労働審判は原則非公開とされていますので、労働審判委員会より認められない限り傍聴することはできません。
できることなら法的手段による解決は避けたいところですが、解決するためには致し方ありません。当事者となった場合は日常記録が何よりの証拠になりますので、毎日記録をとっておくことが重要です。
また、裁判手続きは平日しか行われていないため、傍聴するのは難しいとは思いますが、当事者になったときに慌てなくていいように、膨張してみることもおすすめします。
(画像はイメージです)
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