職場にいる産業医、いると安心?

2017.06.12
体調管理は社会人の基本

体調管理は社会人の基本とよく言われますが、1日の大半を業務に取り組んでいれば、健康増進のために時間をとるのはなかなか難しいという人がほとんどだと思います。

健康に不安があっても仕事が忙しくて病院に行けないというのが現状です。

使用者は労働者の安全や健康のために、安全管理体制として所属する従業員の人数に応じて、産業医や衛生管理者を設置しなければなりません。

産業医とは

産業医とは、事業所で使用している労働者の人数が50人以上であれば、設置が義務付けられている専門医のことです。労働者が健康的に業務に取り組むことができるように、使用者に指導や労働者に助言を与えます。

主な業務は企業が実施する健康診断の結果に応じた指導や、毎月1回以上の職場への訪問などです。職場巡視をしていない企業もあるようですが、これは法的に定められた義務ですので必ず実施しましょう。

衛生管理者とは

衛生管理者とは産業医と同じように、事業所で使用している労働者の人数が50人以上であれば、設置が義務付けられている職場の衛生管理を行う専門医や有資格者のことです。

業務内容は産業医に似ていますが、職場巡視が産業医より短く、毎週1回以上行うようになっています。産業医と異なり、常駐が必要になりますので、有資格者がいなければ専属の医師などを選任しなければなりません。

専門医がいるという安心感

産業医や衛生管理者の良いところは、かかりつけ医でも窺い知ることができないような職場のことも把握していることです。自分のことを理解した上で助言してくれるので、安心して相談することができます。

また、誰しも健康への不安を抱えていると思います。身近に専門的な知識を持った医師がいることは、労働者の精神的な支えになります。

産業医の業務拡大

平成27年の12月より労働者のメンタルヘルス対策として、常時50人以上の従業員を使用する事業所でストレスチェックを毎年1回は実施するよう義務化されました。

重要なのは、ストレスチェックの実施者となれるのは産業医など法律に定められた有資格者だけです。したがって、産業医の役割はますます増大していくことが予想されます。

まとめ

産業医が労働者に与える安心感は大きいと思います。しかし、産業医がいるだけで安全や健康になるわけではありません。産業医が役割を果たすことではじめて、労働者の安全や健康につながるのです。

産業医を法律に則って設置するだけではなく、産業医が最大限に力を発揮することができるように、職場環境を整えることも使用者の大切な努めです。

(画像はイメージです)

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kakimoto