職場復帰の判断基準って?

2017.06.07
職場復帰の判断基準は難しい

休職していた理由が、何らかの怪我や出産によるものだった場合は、怪我からの回復や育児からの復帰という明確なめどさえあれば、復帰させることは非常に簡単ですが、メンタル的なものが要因だった場合判断が一気に難しくなります。

特に、休職を何度も繰り返すタイプの人を復職させる場合は人事担当の方も判断に困ってしまうことでしょう。この部分は非常にあやふやで、医師の判断基準とか人事部の判断によるところが多く、かなりデリケートな扱いを強いられることになります。

産業医がいるのなら産業医の面談を行う

中小企業では用意されていないことが多いですが、ある程度の規模の会社なら産業医を用意しているので、必ず産業医の面談を復帰前に行うようにしてください。そこで、OKという判断が出たのなら人事もその判断に則って動くのが基準となります。

医師や人事の確認方法は人それぞれだとは思いますが、休職を繰り返さないためにも、会社の就業規則などで会社の指定する病院や産業医への受診を義務付けることも有効でしょう。

特に、産業医の場合は会社の内情もある程度理解してくれているので、社内トラブルが原因での精神疾患患者だった場合には、病院の医師よりも適切な判断を下すことができます。

病院の医師は患者の職場環境は見えない

病院から復職可能かどうかの診断書をもらうことを復帰する時の義務としている会社も多いでしょうが、病院はその患者の職場環境や人間関係を見ることができません。あくまで、患者から聞いた状況から推測するしかないのです。

主治医による職場復帰が可能かどうかの判断は日常生活における病状の回復から判断しているのであって、職場での業務遂行能力に応じて判断することは難しいということを覚えておいてください。

そのため、復職可能の診断書があったとしても、人事担当者や産業医が就業意欲がしっかりあるのかを把握して、生活のリズムも健康な時の状態に戻っているのかを確認し、職場環境に適応できる状態にあるのかを調べる必要があります。

職場環境は簡単には変えられない

職場環境が合わないために適応障害のような形でメンタルに影響が出てしまった社員が、同じ場所に復帰できるということはその社員のメンタルが大きく変わらない限り難しいでしょう。その社員が変わらないのなら、会社側でアクションを起こして職場を変えるしかありません。

ここの扱いはかなり意見が分かれており、厚生労働省でも復職する部署は同じ部署として考えているフシがあります。つまり、同じ部署以外なら復帰できるという人は復職許可を出さないほうが良いという考えです。

そのため、復職希望者から「前の職場以外ならOK」というサインが出ている人は、人間関係や仕事から逃げたいという気持ちが変わっておらず、内面での変化が少ないのでGOサインを出さないほうが良いという意見もあります。

どのようなスタンスで復職させるかは会社によって大きく変わりますが、人間関係や職場の環境から休職になってしまった人の場合は、職場環境を変えないで復帰させるのならその人のマインドを確認するべく、人事担当者や産業医が面談を行うようにしましょう。

(写真は写真ACより)

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新免武三
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