会社の都合で休業した場合って、給料は支払われるの?
2017.06.06
会社の都合における休業と言われると、業績不振に陥ったために会社側が延命措置として行う最後の手段というイメージがありますが、実は日本の場合の会社都合の休業は非常に身近にあるのです。それが自然災害となっております。
この会社都合の休業について大きな話題となったのが、今でも日本に大きな爪痕を残している東日本大震災です。いわゆる、会社が震災で深刻なダメージを負ってしまったため、しばらく復帰ができないため社員を休ませたケースが、会社都合の休業という扱いになるということです。
日本は豪雪・台風・火山噴火・地震など震災になりうる要素が満載なので、これらの災害関連休業は日本にいるなら可能性としては一生ついて回る問題となってしまいます。
ここで問題となってくるのが、休業をすることに至った理由です。というのも、会社都合の休業にも「帰責事由」が会社にあるパターンと会社側にないパターンがあり、これらの状況で労働者がもらえる賃金には差が出るようになります。
基本的に、会社側に責任があると判断された休業は全額を負担する必要が出てきますが、会社側に責任がないと判断された休業は賃金の6割負担となるため労働者側からすると4割もの開きが発生するのです。
例えば、会社が経営困難に陥って休業をするといった状態なら会社側に責任があると判断されるので、「使用者に帰責事由のある休業」という扱いになり、労働者側はほぼ間違いなく全額もらえる立場に立つことができるでしょう。
しかし、何かの製造業者で材料が不足して物が作れないとか、資材等の搬入が交通機関における障害が発生したせいで行われなくなったなどの、会社側からすればどうしようもない事態での休業、つまり「使用者に帰責事由のない休業」なら、6割しかもらえない状況になるということです。
このように賃金の補償される額には責任がどこにあるかで大きく変わってきますので、「債権者の責めに帰すべき事由」のラインを把握する必要が出てきます。労働力を売る側の立場の人には最低限の補償をする必要はあるので、少なくとも6割をもらうことはできるということです。
震災で会社に大きなダメージが入ってしまった場合は、会社側も確実に被害者という立場になるので、基本的には休業手当の支払いも必要ないという意見があります。休業補償を支払う義務はなくなるということなのです。
このように会社側が業務を続けることが不可能と判断された場合は失業保険の支払い条件と同じ扱いを付けるようになるので休業手当が支払われるようになるでしょう。ただし、最低1年以上の雇用保険の加入が必要となることは覚えておいてください。
(写真は写真ACより)
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