定額残業代以上働いた場合には、別途支払いが行われるの?

2017.06.01
別途支払いをする必要がある

先に結論だけ述べさせていただくと、定額残業代制度を取り入れている会社であったとしても、その定額残業代以上の労働があるのなら、支払う必要性があります。

もともと、定額残業代のような固定残業代制度が動労基準法に違反しないと考えられている根拠には、時間外労働に対する対価が賃金として払われているのなら問題は無いというところからきているので、時間外労働に対する対価が正当に払われていなければ違法となるのです。

定額残業代を用意している会社は、いくらでも残業させることが許されているわけではなく、その定額の根拠の元となっている残業時間を超過した場合は必ず支払う義務があります。

規則に盛り込まれていても例外は無い

定額残業代の制度を導入している会社であったとしても、予定の残業時間を超過しているのなら、残業代を払うのは義務となっております。

しかし、一部の会社には会社規定としてこれらの労働基準法から逃れるために「超過分の残業代は支払わない」などの記載されているケースもあります。

このような会社に勤めている人は、会社側から無理な残業がいつも促されているかもしれません。しかし、定額残業代を超えてまで働かせることは会社規定でいくら定めていようが違法という扱いになるので、定額残業代を定めている会社は怪しいと考えたほうが良いかもしれません。

実際に、この定額残業代を利用している会社は、昔よく出てきた言葉である名ばかり管理職のように残業代を払わないように仕向けている可能性が高いと言われており、働く側は定額残業代制度を導入している会社は避けたほうが良いと考えられるようになっております。

定額残業代制度のルールを知る

定額残業代制度は会社側が気軽に取り入れられる制度というわけではなく、取り入れている側はある程度の情報提供を必ず行う必要があり、求人票などにも明記する必要があります。

つまり、月給○○万円(残業代を含む)という記載しかないのは違法な定額残業代ということになるのです。しかし現実は採用情報の中に、みなし残業40時間分を含むとか残業代を含むという記載がされているものはかなりあります。地域によって差は出ますが、3割はあるとすら言われているのです。

また、定額残業代はたとえ指定されている時間残業をしなかったとしても、必ず支払われるようにする必要があり、時間に満たなかったから給料を下げるような会社は違法となります。

他にも、時間外労働の時間が決められているところでは、最低賃金を下回っているところも多いので注意してください。平成27年の最低賃金の全国平均は780円なので、残業代となると25%増しの975円となりますが、これを下回っているところは違法となるでしょう。

(写真は写真ACより)

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