時間外労働は何時間までなの?
2017.05.13
社会人ならだれもが対面することになる残業ですが、現代日本ではこの残業に関して色々と細かい決まりが存在しているのです。ただし働いている側はこれを全く理解していないというケースも多く、一部の会社を運営する側の人は解っていても説明しないこともあるようです。
労働基準法では「1日8時間、週に40時間を超える労働は原則として認められていない」ものとなっているので、これだけを見るとほとんどの人が労働基準法違反に該当していると思ってしまうでしょう。9時始業の会社の場合は1時間のお昼休みを挟んだとしても18時には仕事を終わりにしなければいけません。
しかし、法律の中には会社側と労働者側で話し合いを行い労使協定を結ぶことで残業をさせることが可能となっているのです。この労使協定の考え方は労働基準法36条からきているので「36協定」と呼ばれるようになっております。
このように残業をさせるためには、労使協定を結ぶ必要があるのです。これは適当に口約束で決めたものはNGとなっており、書面化して労働基準監督署に提出する義務があります。このような決まりはありますが、一説には中小企業の5割以上が労使協定を締結していないと言われているのです。
(写真は写真ACより)
労使協定とは会社と労働者の意見を合致させた取り決めになります。しかし、この取り決めを盾にすることで会社側が圧倒的な権限を持てるようになるわけではありません。時間外労働の部分でも原則的に上限が設定されておりそれを超過することは違反となるのです。
1週間であれば15時間、2週間で27時間、1ヶ月で45時間、1年で360時間という決まりがあるので、本来なら1ヶ月で45時間以上働かせるのは36協定の側面から見ても違法となります。
例外として、時間外労働を限度以上に行える特別条項付き協定というものも存在しているので、この特別条項に該当する職種の方は45時間以上の残業が許されることがあります。それは、技術や商品の研究開発、自動車運転、工作物建設などの業務で、一部の厚生労働基準局長指定事業も該当します。
また、特別条項付きの36協定を結んでいる会社の場合は1年のうち6ヶ月は36協定に記載した時間残業させることができるので、80時間や60時間といった記載されているところもあります。世間でいうところの60時間とか80時間が制限となっているというのはここからきているのです。
特別条項付き協定を決めている会社の場合は制限を設ける必要はないので、会社と労働者の間でどのような規定を結んでいるのかで条件が変わってきます。つまり、労働基準法や36協定に違反しているかどうかは会社の労使協定がどうなっているのかを把握しないと見えてこないということになるのです。
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