人事なら知っておきたい!等級制度と基本!
2017.04.26
仕事をする上では与えられた役割をこなした成果と共に他人から見た評価をしっかりと公平にしてもらいたいという欲求は誰にでもあることでしょう。
その際に必要になるのは「分かりやすい基準で評価されているか」「同じ立場の人間が同じ基準で評価されているか」といった公平で分かりやすい評価であると言えるのではないでしょうか?
そのために必要になってくるのが仕事への評価基準である「等級制度」です。この等級制度は判断する基準によって大きく分けて3種類の制度に分けることができます。
仕事の能力や取得する資格などを基準にした「能力別等級制度」・行っている職務内容を基準として「職務別等級制度」・役職などの従業員に与えられた役割に応じた「役割別等級制度」です。
どの制度を利用して社員を評価するのは各企業の実情により変わってきます。
日本の企業で古くから取り入れられているのがこの能力別等級制度です。
「会社の経営方針に従い、経営目標の達成のための策を立案、実行し、成果を出すことができる」などの判定基準を設けます。一人一人の従業員の仕事に対する能力を評価する制度で、部署の違いによって評価が変わることがない評価制度です。
そのため、企業の中の人事異動や職務の変更などが生じても柔軟に評価することができます。組織の安定感も保つことができる反面、年控除列的な運用になりやすいというデメリットがあります。
年を重ねると共に役職がなくなり、組織としてのピラミッドがいびつな形になる可能性もあります。また、成果を上げた従業員への評価を正確に反映しづらく、近年では少しずつ運用内容を変更する動きもでてきています。
この評価方法は職務の一つ一つに定められた達成基準を満たすことで評価をする方法です。
例えば、「製品の材質を理解し、それにふさわしい加工を●●の機械を用いて行うことができる」など仕事の進め方と習熟具合も評価することができる方法です。
職務の一つ一つを詳細に分析し、それぞれに難易度を設定する必要があるため、評価方法の設定に時間と手間がかかります。また、評価制度の柔軟な見直しが難しいという側面もあります。
しかし、学歴や年齢、勤続年数といった条件に左右されることなく個人を評価するため、スペシャリストを排出しやすく、有能な人材を東洋する際にも役にたつ制度です。
反面、チームワークで仕事を完遂するという助け合いの風潮がある場合にはなじまない場合も多く、採用する企業はまだ限定されていると言えます。しかし、技術の養成が必要な業種では目標と評価の設定が明確になる評価基準です。
役割等級制度や仕事上で与えられた役割で果たすべきことを設定し、その達成度合いに応じて評価を行う評価方法です。
「部長の補佐を行いながら、自己の営業目標、およびチームの任務を遂行し、同時に部下への指導・監督を行う」など役割設定が明確でシンプルなことが多く見られます。
そのため、役割の評価がしやすく、また、各個人でも役割の把握が容易であるというメリットがあります。
以上のように従業員の仕事を評価するには個人能力を評価する方法、職務を評価する方法、与えられた役職の役割を果たすことが求められる方法など様々な方法があります。
また、評価の方法によっては業務の内容を細かく把握する必要がでてくるなど、設定に時間と手間がかかるかも知れません。また、会社内のシステムの変化や社会環境の変化によって内容を変えていく必要がでてくるかも知れません。
その際にかかる人件費や手間・コストなども必要かも知れません。誰にでも分かりやすい一定の判定基準を設けておくことで、将来的に管理する人間が変わったとしても、全ての従業員に公平な評価を行っていくことができるのです。
納得のできる正当な評価をされることで従業員の仕事へのモチベーションもアップして、結果的に会社の業績アップにつながっていくのです。
(画像は写真ACより)
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