人事に欠かせない「労務」とは・求められるスキルとはどんなもの?
2017.03.28
人事は営業部や企画部とは違い、売り上げに関わる業務ではないので、地味と思われがち。でも人事に関わる業務はたくさんあります。具体的にどんなことをするのでしょうか。
人事の担う役割は、人材による組織の発展を担うことです。主な業務は大きく分けて5つ。人材の採用から、入社、退職まですべて人事部がサポートしています。
1つ目は「採用」で、社員の募集など求人の企画と社員の採用に関わる業務を担当します。2つ目は「処遇」。社員の配偶先、人事異動、昇進や昇格、昇級と行った処遇に対する処理を行います。
3つ目が「人事制度の企画・立案」で、社員の評価制度、報酬制度の構築を行います。社員のモチベーションに関わる業務で、評価の公平性や透明性が要求されます。
4つ目は「能力開発」。社員の研修制度を企画するなど、人材育成の役割を果たします。5つ目が「労務」。賃金管理や労働時間、保険や福利厚生など様々な管理に関わります。
この中で組織が発展するためには、社員の働きやすい環境を提供することが大切になります。人事にとってはその役割は「労務」に当たり、人事の業務の中でも重要な位置を占めます。「労務」と一口に言っても、その役割は多岐にわたります。
まず社会保険の手続き、勤怠管理、給与計算など。そして社員の健康診断、福利厚生業務、安全衛生管理なども行います。また最近では社会問題となっている過労死、うつ病などに対応するため、メンタルヘルス対策を行う企業も増えてきています。
単調な作業が多いと思われがちですが、これらの業務を遂行するにもスキルは必要です。スキルには主に次の3つの目安が求められます。
まず「情報収集能力」。労務には労働基準法、労働組合法、安全衛生法、育児・介護休業法、男女雇用機会均等法などの法律に関わります。
これらは改正されることも多いため、常に最新の情報を捉えて組織に活かして行く必要があります。これをしておかないと、社員への採用や待遇でトラブルになる可能性も。
もう一つ必要なのが「正確なデータ管理スキル」。管理ソフトなどに明るく、しかもミスは許されません。慎重さと正確さが重要です。
そして「コミュニケーション能力」。社員、経営陣、社会保険労務士などの専門家などあらゆる人と関わりがあるため、それぞれに柔軟に対応できる対話スキルも必要になります。
よく企業の重要な要素として、「ヒト・モノ・カネ・情報」と言われますよね。人事部はその重要な4つの要素の中で「ヒト」の役割を担う大切な業務なのです。
企業にとって「ヒト」は大切な資産。ヒトがモノを生み出し、売り上げ、組織の核となり、発展の土台となるわけです。その社員がよりよく組織の中で働くために必要な「労務」を行うのが人事担当者。縁の下の力持ち、と言えるでしょう。
(画像は写真ACより)
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