労使間で交わす雇用契約書 記入時に気をつけるべきことは?
2017.03.26
労働者と使用者との間で雇用契約を結ぶ場合、雇用契約書を作成し、交わす必要があります。雇用契約書に記載すべき内容は、労働基準法に定められているほか、必要に応じて項目を追加します。契約書は2通作成し、労働者と使用者で互いに1通ずつ保管します。
雇用契約書を作成する理由は、後々のトラブルを防止することに尽きます。雇用契約書に必要事項をもれなく記載することが大切ですが、記載内容を説明し、理解してもらうことで、さらにトラブルを防止しやすくなります。
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雇用契約書に記載すべき内容は、「労働基準法施行規則」に定められています。労働基準法で定められた内容については「絶対的記載事項」となっているため、必ず記載しなければなりません。
見方を変えれば、絶対的記載事項を記載することにより、労使トラブルを防ぎやすくなると言えます。
雇用契約書に記載すべき内容は、以下の通りとなります。
・雇用契約期間の有無
・就業場所、業務内容
・始業時刻と終業時刻、休憩時間
・休日、休暇
・所定労働時間を超える労働の有無
・交代勤務を行っている場合は、交代勤務の内容
・賃金の決定方法、計算方法、支払方法、賃金の締切日と支払日
・退職についての事項と解雇の事由
上記の内容を明確にしておくことにより、労働中のトラブルを防止することが可能となります。
また、パート労働者の場合は、「パートタイム労働法」により、昇給・賞与・退職金の有無も記載する必要があります。
そのほか、有期雇用契約の場合は、契約更新の有無を記載します。なお、契約更新がある場合は、契約更新の判断基準と雇止めの理由についても記載しなければなりません。
雇用契約書には「絶対的記載事項」を記載しなければなりませんが、絶対的記載事項のみで完全に労使トラブルが防げるわけではありません。必要に応じて、絶対的記載事項以外の内容も記載する必要があります。
一例をあげると「転勤の有無」があります。労働基準法における絶対的記載事項の中に、「就業場所」がありますが、転勤があるならば、その旨も記載しなければなりません。
転勤があるにもかかわらず、雇用契約書にその旨を記載しておかなければ、労働者から「話が違う」とクレームを受けることにもなりかねません。
そのほか、労働者が会社に対して損害を発生させた場合に備え、賠償責任を負う義務について記載しておくことも、トラブル防止につながります。ただし、違約金や損害賠償額を規定することは、労働基準法で禁じられています。
雇用契約書は同じものを2通作成し、労働者と使用者の双方が1通ずつ保管しておきます。2通作成し、互いに保管しておくことで、労使双方で内容を確認することができるためです。
また、雇用契約書の内容は、使用者側が労働者に対して説明しておく必要があります。労働契約書に記載した内容について説明しておくことで、労働者から「聞いていなかった」と言われるリスクが少なくなります。
なお、印鑑を押す前には、契約書の内容を確認し、理解しておきましょう。印鑑を押すことにより、双方とも契約書の内容に了承したことになるためです。
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