後で悔やまないために「就業規則」を読んでおこう

2017.03.24

会社勤めの皆さん、ご自分の勤務先の「就業規則」をお読みになったことはありますか。

新入社員教育で説明を受けたような気もするけれど、その後はさっぱり、という人が多いのではないでしょうか。

普段仕事をしている分にはほとんど必要性を感じない就業規則ですが、いったんことが生じるととても重要な役割を果たします。

後で「よく読んでおけばよかった」と悔しい思いをしないためにも、就業規則についておさらいをしておきましょう。

就業規則とは

給与所得者である以上、大なり小なり組織の一員として仕事をしているわけで、そこには自ずからルールが存在します。勤務時間が9時から17時まで等というのは基本中の基本ルールですね。

こうした、勤務時間などの会社で仕事をする上での基本的なルールを定めたものが「就業規則」なのです。

労働基準法 第89条には、常時10人以上の従業員を使用する使用者は、就業規則を作成して所轄の労働基準監督署長に届け出なければならないと定められています。

就業規則自体は国や自治体が定めた法律ではありませんが、会社と従業員との争いで裁判沙汰になったときなどでは、就業規則にどのように定められているか、ということがとても重要になります。

就業規則には何が書いてあるか

「就業規則」は会社の基本的なルールだとはいえ、会社が勝手に内容を決めてよいというものではありません。

就業規則の作成に当たっては、労働組合がある会社では労働組合の、労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならないと定められています(労働基準法 第90条)。

また、従業員に対する制裁規定についても、減給の制裁については制限が設けられているのです(労働基準法 第91条)。

内容について、「就業規則」で必ず定めなければならない(これを「絶対的必要記載事項」といいます)と労働基準法で決まっている事項は以下の通りです。

始業・終業時刻、休憩時間、休日・休暇、交代勤務、賃金の決定・計算・支払い方法・締め切り・支払い時期・昇給、そして退職に関する事項(解雇事由を含む)です。

始業・終業時刻や休み、そして賃金などに関しては日常的なものなので特に就業規則を意識することはないと思いますが、解雇事由等は覚えておいた方がよさそうです

これら必須事項の他にも、就業規則には定められていることがあります。列記すると、退職手当、臨時の賃金・最低賃金、食費・作業用品その他、安全衛生、職業訓練、災害補償・業務外傷病扶助、表彰・制裁、転勤・配置転換・出向、諸経費などです。

まとめ

昨今の長時間労働の問題、ブラック企業の問題など、企業勤めの身分も、かつて植木等が「サラリーマンは気楽な稼業と来たもんだ」と歌ったような気楽な職業ではなくなってきています。

会社ともめ事にならない人生を送ることができればそれにこしたことはありませんが、もしものときのために、勤務先の就業規則(できればそれ以外の規程類にも)に目を通しておきましょう。

(画像は写真ACより)

記事をシェアする

kakimoto