人材の流失を防ぐために職場でできること

2017.03.14
一定の休息を確保する

勤務間インターバル制度とは、退社から出社までに一定の間隔を空けることを義務化する制度のことです。ヨーロッパではすでに導入されており、終業から始業までに11時間の休息を取ることとされています。

日本における勤務間インターバル制度

独自に導入している企業もありますが、日本では法的な制度ではなく、政府が導入の動きを見せている段階です。しかし、日本の勤務間インターバル制度はヨーロッパの制度とは異なります。

ヨーロッパの制度は義務ですので、義務違反すれば当然罰則が科されますが、日本の制度はあくまで奨励に過ぎず、導入した企業には最大100万円の助成金を支払うというものです。

労働者の健康のために

日本も導入しようとしている背景には過労死との関係があります。日本ではかねてより過労死は問題となっていましたが、法整備が整ったのは2014年とまだ新しいです。

過労死まではいかなくとも、長時間労働しているということは睡眠時間が短いということであり、睡眠時間の減少は健康被害につながるだけではなく、業務の円滑な遂行に支障をきたすため、労使双方のデメリットとなります。

法律が長時間労働を助長している

労働基準法は1日8時間、1週間で40時間を超えて労働させてはならないと定めていますが、いわゆる36協定を労使間で締結すればこの条件を超えても労働させることが可能になります。

本来、この36協定はやむを得ない場合のために設けられているのですが、長時間労働させる大義名分となっているのが現状です。36協定を結んで長時間労働させようではなく、させなくてよい労働環境を整えなければならないのです。

労使ともに意識改革が必要

日本の業務形態は単独作業ではなく共同作業で行うものが多く、勤務間インターバル制度が導入されるとチーム全体がそろうまで時間がかかってしまうので、業務の妨げになると考える労使がほとんどです。

しかし、このように考えること自体が誤りで、残業することを前提に考えてしまっています。チーム全体が定時に就業すれば始業も同じ時間になるのです。労使ともに意識を変える必要があるのです。

助成金を支払うという形で導入される勤務間インターバル制度ですが、義務ではないため導入する企業はあまり多くはないと思います。さらに法整備が進んで義務化されることで長時間労働の減少につながると思います。

(画像はイメージです)

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kakimoto