療養中に解雇通知!? 解雇されるケースとされないケース!
2016.12.26
会社で働いている中でケガや病気が原因で療養を取ることになった時、休職期間にいきなり解雇されてしまう、なんてことは考えたくもないことです。
いつの間にか解雇されてしまわないためにも、療養を取る時に知って置かなければいけないことと、療養中の解雇事例をご紹介します。
(画像はイメージです)
まず大原則として、病気の理由が業務にある場合、療養中に解雇するのは労働基準法違反に当たります。加えて、療養してから「その後30日間の解雇」も原則禁じられています。
ただ、例外として「3年経っても回復しない場合」は病気を理由にして解雇することができます。また、業務と関係ない病気で療養する場合には、就業規則などに定められた休職期間が経過しても病気が治癒していなければ解雇することが可能とされています。
その他、地震や火事などといった災害による緊急事態の場合には、病気になっている社員から優先的に解雇することも許されます。
業務が原因の傷病を療養中の皆さんが、会社からいきなり解雇通知を受けた場合、3年以上経過しているかどうかをチェックし、そうでない場合には休職期間を経過しているか就業規則を確認する必要があります。
もし規則違反があるようなら、ひとまずよく考え、必要に応じて弁護士へ相談を持ちかけましょう。
ここからは、実際に療養が元で解雇されたケースについて紹介していきます。
入社3年目、慣れない仕事に苦戦しつつもキャリアを積みつつあったAさん。そんなAさんはある日、仕事でミスをしたことがきっかけとなり上司からパワハラを受けます。Aさんはその上司から受けるパワハラの影響でうつ病になり、休職へと追い込まれてしまいます。
その後Aさんは3年間の療養ののち職場に復帰しますが、長いブランクのためなかなか本調子が出せず、職場復帰から60日が経ったある日、解雇通知を受け取ることとなりました。
●解説
この件に関しては、療養の原因は業務ですが、「3年以上療養している」、「復帰から30日を過ぎている」ため、労働基準法違反とはならず正当な解雇と言えます。
入社5年目で、社内での信頼も厚かったBさんは、休日に友人とバーベキューに行った際、手に重度のやけどを負ってしまいます。Bさんの仕事はパソコンを使うものだったため、手の自由が利かないことは仕事上死活問題となってしまいました。
医師からは「6ヶ月の治療が必要」と言われたものの、就業規則では「5ヶ月までの療養しかできない」とのことで、Bさんはひとまず5ヶ月の休職願を提出し、受理されます。
しかし、その怪我は5ヶ月では完治せず、5ヶ月を過ぎた時点で上司から解雇通知を出されました。
●解説
このケースもまた、正当な解雇と言えます。
今回Bさんはプライベートでケガを負ってしまいました。私傷病の場合、会社と約束した休業期間内に職場に復帰できるかどうかが鍵となります。
一番は仕事に支障が出るようなプライベートでの怪我や病気を避けることですが、病気や怪我をしてしまった際はできる仕事から手を付けることにより、規定の休職期間内になんらかの仕事を行えるようになることが大切です。
病気で療養することになった時は、「業務が原因」か「プライベートが原因」かによって、療養できる期間が変わってきます。
業務が原因の場合は、3年まで猶予を得ることができますが、そうでない場合は職場の就業規則に従うことになります。
よって、療養することになった場合は、知らぬ間に解雇という事態を回避すべく、傷病の原因や就業規則をしっかりと確認したいところです。
療養期間中は心許ない気分になることもあるかもしれません。しかし、普通の健康な生活を取り戻すためにも、ゴール地点を見据えながら療養生活に入ることが重要と言えるでしょう。
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