日本は長時間労働?世界各国の労働時間と特色

2016.12.22
世界の人々のワークスタイルは一体?

もはや「ブラック企業」という言葉は、日本人の耳にすっかり馴染んでしまいました。

ブラック企業とは従業員を劣悪な環境で働かせる企業のことを指しますが、その要因の1つである「長時間労働」について世界の労働時間を見てみましょう。

(画像はイメージです)

アメリカ

労働時間が短いと思われがちなアメリカですが、経済協力開発機構(OECD)が発表した平均年間労働時間ランキングでは、日本よりアメリカの労働時間の方が長いという結果に。

アメリカでは競争意識が高いため、残業をしてでも他と差をつけたいという雰囲気があるようです。この社会的背景が労働時間に反映されているといえるでしょう。

ドイツ

ドイツは法律規制によって、非常に労働時間が短くなっています。管理職でない社員は、1日に10時間以上労働させることは禁止されています。

また、有給休暇の日数も法律で「24日以上取得するように」と決められているので、4週間連続で有給休暇を取る人もいます。

韓国

OECDの年間労働時間ランキングでは第2位にランクインしている、日本よりもワーカホリックな国です。

「1日の労働時間、10時間!」が当たり前にまかり通ってしまう国で、しかも労働者の中での非正規労働者の割合は60%。さらに、1つの企業で働く年数は短く、25%もの人が1年以内に辞めてしまう結果となっています。

給料は10万円前後で全く余裕が出ない生活を送らなければいけない現状から、「ヘル朝鮮」(地獄朝鮮)という言葉まで生まれています。

中国

ユニクロ工場での事件で「中国の労働環境は劣悪」という印象があるかもしれませんが、最近では改善されつつあります。

「中国人民共和国労働法」では、1日の法定労働時間(労働時間の限度)を8時間と定めていて、法定休暇日に出勤させる場合、割増賃金として300%以上もの給料を支払わなければいけません。

フランス

労働時間が短いことで有名なフランスでは一般的に、残業4時間を含めて週39時間の労働契約を結びます。1日の勤務時間は7時間という計算になります。

また、フランスでは連続5ヶ月の有給休暇が与えられています。有休の消化率も高く、長期休暇中はバカンスに行ってゆっくりと過ごす人が多いようです。

まとめ

欧米諸国の労働時間の短さには目を見張るものがありますが、日本の労働時間は意外にも「普通」のように感じるかもしれません。

ただ、日本の場合はデータとして残存する労働時間以外に「サービス残業」「上司が帰るまで帰れない」といった風潮があるため、実際のデータと乖離していると考えることもできます。

「KAROSHI(過労死)」という言葉がアメリカに伝わって英語化してしまうほど、日本の労働環境は世界から問題視されています。ブラック企業大国から脱するためには、日本古来の”悪しき風習”を見直す必要がありそうです。

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網野新花
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