労働者としての遵守の義務にはどんな内容が含まれているの?

2016.07.01
労働契約によって発生する義務

例えば、使用者は労働の対価として労働者に賃金を支払わなければならいように、労働契約を締結すれば労働者と使用者の双方に果たすべき義務が生じます。

労働者が果たすべき義務には会社の名誉保持や機密保持義務、経歴詐称義務,セクハラの禁止などがあり、総じて労働者としての遵守義務と言われています。

使用者が果たすべき義務には上記の賃金の支払い義務や安全配慮義務、個人財産の安全義務などがあります。

企業の信用を落とさない

企業は名誉や信用が低下すると業績にも影響がありますので、労働者はその企業に勤務している以上、就業時間であるか否かを問わず企業の名誉や信用を保つよう行動する必要があります。

就業規則内に企業の秩序を保つよう風紀を乱すような行動は慎むことはもちろん、就業時間外であっても行動の結果が企業に悪影響を与えるような行動は慎まなければなりません。

情報を漏らさない

機密保持義務は守秘義務とも言われ、就業中に知り得た事柄を漏洩させることを禁止するものです。これは労働契約が終了した後も守らなければなりません。

業種を問わず就業中には様々な個人情報や機密情報を扱うことになります。個人情報の漏洩は、企業の信用の低下や対象者が何らかの被害を受ける可能性があります。機密情報の漏洩は、競合企業に利益を奪われることになる可能性があります。

また、この義務に関連して二重就業の禁止という義務もあります。二重就業は、兼業による疲れから作業効率の低下や機密情報が漏洩する可能性が高まるため、禁止している企業が多いです。

企業に対して虚偽の申告をしない

何らかの契約を締結するときに、相手に対して疑念があれば契約を躊躇すると思います。労働契約においても同じで、労働者と使用者が互いに相手を信用することで労働契約は締結されます。

従って、労働者は面接や履歴書において虚偽の申告をしてはいけません。経歴詐称として考えられるのは学歴詐称や職歴詐称などです。虚偽の申告と合わせてこれらについて隠し事をすることもしてはなりません。

ハラスメントの禁止

企業は秩序を保つためにハラスメントを禁止する規定を設けています。その中でも多いのがセクハラに関する規定です。直接的なものだけではなく間接的なものも禁止されています。男性から女性に対する言動はもちろんですがその逆も禁止されています。

労働者としての遵守義務は服務規律として就業規則に明文化されており、合わせて罰則規定も設けられています。従って、義務違反の場合は懲戒処分を受ける可能性があります。

労働者としての遵守義務がなぜ存在しているのかをしっかり理解し、義務違反をしないように誠実に労働を提供するようにしましょう。

(画像はイメージです)

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周防大和
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