アルバイトと正社員で異なる?!就業規則の内容
2016.06.10
常時10人以上の労働者を使用する使用者は就業規則を作成する義務があります。就業規則が適用される範囲はすべての労働者ですので、正社員だけではなくアルバイトやパートにも適用されます。
就業規則は、賃金などの労働条件から職務規律まで使用者と労働者の間におけるルールが定められています。従って、アルバイトやパート専用の就業規則を作成していなければ、アルバイトやパートも正社員と同じ労働条件で取り扱わなければならなくなります。
アルバイトを正社員と比較して労働条件が異なるのであれば、アルバイト専用の就業規則を作成する必要があります。作成するときは別規定として一から作成することが望ましいです。
もちろん、従来の就業規則に除外規定を盛り込んでも構いませんが、その場合は適用範囲を明確に定義する必要があります。
また、すでにパート専用の就業規則を作成している場合は、労働条件が同じであればそのまま適用させ、労働条件が異なるのであれば参考に作成すればよいでしょう。
就業規則には必ず定めなければならない事項があります。就業時間や休日に関する事項と賃金に関する事項、退職に関する事項の3点です。
就業時間は始業から休憩を経て終業に至るまでの時間ですので、これが正社員とアルバイトで異なる条件となることはあまりないと思われます。
休日に関しては、年次有給休暇は正社員と同様、アルバイトであっても一定の要件を満たせば付与しなければなりませんが、特別休暇ついては、アルバイトは正社員より少ないか付与されない場合もあります。
賃金に関する事項については、正社員が固定給であるのに対してアルバイトは時間給です。時間外労働については正社員と同様時間外労働手当を支給しなければなりません。
その他の扶養手当や役職手当などなどの諸手当については、アルバイトは通勤手当を除いて支給されないことがほとんどです。
退職に関する事項については、解雇事由はどちらも必ず規定がありますが、退職金の支払いについては正社員にしか通常ありません。
また、上記の3点以外でもアルバイトと正社員では副業に関する事項が異なります。正社員は副業を禁止している企業が多いですが、アルバイトでは兼業を認めている企業もあります。
正社員とアルバイトでは労働条件が異なる場合が多く、就業規則を別に作成しておかなければ賃金の支給や休暇の取得のときにトラブルのもとになります。就業規則の作成は使用者の義務ですので必ず作成し、労働基準監督署に届け出て、労働者にも周知徹底しましょう。
(画像はイメージです)
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