働く上で見ておくべき4つの保険法

2016.05.21

(画像はイメージです)

労働には、「働き過ぎて過労死」といった労働上のリスクに「ある日突然リストラ」といった経済的なリスク「働いていたら怪我をしてしまった」といった障害のリスクなど、様々なリスクが付きまといます。

そんなリスクを少しでも軽減しようと、国ではいくつかの公的な保険を設定しており、必要な際にはその保険の恩恵をうけることができます。
今回は、働く上では大切な「4つの」保険法について詳しく説明していきます。

健康保険法

病気や怪我での自己負担が軽減される、労働者だけではなく被扶養者にも適用される、健康保険に関する基本的な法律です。

健康保険には、中小企業向けと大企業向けの2種類の種別があり、健康保険法で定められた職業のうち、5人以上の雇用をしている事業所では、加入させる義務が生じています。

万が一加入させていない場合には、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられるため、「勤務している会社が加入しているか」をきちんとチェックしておくことをおすめします。

厚生年金保険法

日本の年金制度は、2階建ての年金制度と例えられることも多く、1Fでは「国民年金」と呼ばれる「お金を支払えば享受できる保険制度」が土台を作っており、2Fは「会社員ならば全員加入できる保険制度」が建設されています。

この、「会社員ならば全員加入できる保険制度」のことを「厚生年金」と指し、この制度に入っていれば、将来厚生年金を受け取ることができます。

また、この法律では「障害厚生年金」と呼ばれる、「何かしらの病気や怪我を負った時に一定期間はお金をもらえる制度」や、被保険者が死去した時に妻やその子、55歳以上の夫や父母、祖父母が一定のお金をもらえる「遺族厚生年金」と呼ばれる制度についても定めています。

なお、こちらも事業主が「加入させていない」場合や「保険料を納付しない」場合は6ヶ月以下の懲役か50万円以下の罰金が課せられます。

雇用保険法

雇用の変動が激しい現代社会、かなり重要なのが「雇用保険法」です。
雇用保険法は、失業者への給付や再雇用についての制度を運用しており、一般的な「正社員・非正規社員」が「強制的に事業主によって加入する」雇用保険と、「労働者の申請で加入する」高齢者、短期雇用者、日雇いの方向けの雇用保険の4種類の種別があります。

一般的な雇用保険に加入している場合、失業手当は一定期間以上の勤務があれば受給資格が得ることができ、さらにハローワークの公共職業訓練を受ける際は、所定給付日数が受講期間中に終わっても、給付を受けることができます。

なお、こちらも正規非正規社員問わず事業主が加入させない場合は、「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が課せられます。

労働者災害補償保険法

労働者災害保険法は、業務上での事由や通勤中の労働者の負傷や疾病、死亡などに対して保険給付を行って、労働者の社会復帰の促進や遺族の援護などを行っている「労働者災害保険」を運用されるために作られた保険法です。

適用事業で働いている労働者は、正社員も非正規も年齢も国籍も関係なく、全員がこの保険法の対象となります。

こちらも、十分に施行されない場合は「6ヶ月以下の懲役と30万円以下の罰金」が事業主に課せられますので、適用されているかをチェックしてみるのもいいかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
このように、日本国内では労働者が安心して働けるように、と4つの保険法が運用されており、保険法によりますが、すべて「入れなくはない」保険法となっています。

正社員の場合、雇用主に保険法を適用させる義務がありますので、どれか1つでも適用されない場合は、転職なり何かしらの対処を取ることをおすすめします。

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高野勤一
高野勤一