小難しくない!労働基準法解説

2016.05.03

(画像はイメージです)

仕事をする上で、「万が一」に備えてチェックしておきたいのが「労働基準法」です。

「労働基準法」は、労働に関する最低条件について定めた法律で、これを守らないと企業には罰金や懲役などの、何かしらの罰則が課せられます。

さて、今回は新人さんもベテランさんも改めて確認しておきたい「労働基準法」から「労働時間」と「残業代」に関する法律をピックアップしました。それでは、どうぞ!

労働基準法はどこまで適用されるの?

労働基準法ですが、基本的には「国内の会社で勤務している人全員」に適用されます。

ですので正社員の方はもちろん、パートさんやバイト、派遣、などあらゆる雇用形態で雇用されている、あらゆる人に適用されています。

労働時間の定義

まず、実際に働くとなったらチェックしておきたいのが「労働時間の定義」です。

労働時間は、基本的に「労働者が勤務に従事している時間と、労働者が使用者の命令下に置かれているものとされる時間」というのが裁判所などでの定義となります。

ですから、たとえ使用者が「昼休み」と言っても「電話番をしなければならない」「お茶くみをしなければならない」というのであれば、それは労働時間とみなされます。

また、着替えの時間や「労働に従事していないけれども強制参加となるセミナー」の時間も労働時間にあたります。

反対に、「家から勤務先への移動時間」や「勤務先から取引先への移動時間」などは強制力がありませんので、労働時間とはみなされません。

労働時間の種類と36協定

労働時間にも2種類あります。
「法定労働時間」と呼ばれる労働時間では、「使用者を週40時間以上働かせてはならない」という法律が定められています。

しかし、「40時間ルール」ですが「36協定」を会社と結ぶことによって、ルールは解除され、労働基準法違反を犯すことがなくなります。

ですので、「36協定とか結んでないけれども40時間以上働いている」場合には「労働基準法違反」となり、「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が使用者には課せられます。

また36協定も万能ではなく、一般的な場合は「1年で360時間」までしか労働時間を延長できません。変性労働時間が適用されている場合は「1年で320時間」となります。

一方で、労働者と使用者の間で結ぶ労働時間の規定は「所定労働時間」となります。こちらは、「時給制」で「非フルタイム」でお仕事をしているアルバイトやパートの方には、関わりの深い形態の労働時間となります。

なお、法定労働時間を超える勤務をしていない場合は「残業代」と呼ばれる「割増手当」は出ません(※労働時間分しか出ない)ので注意しましょう。

残業の種類と割増手当が出る基準

残業には、「法内超勤」と「時間外労働」があります。
このうち、「法内超勤」に関しては「1日8時間以内の労働」が当てはまり、こちらは残業代が出ることがなく、使用者は「労働時多分の時間だけ」支払えば良い、と定義されています。

一方で、よく問題になるのが「時間外労働」です。
時間外労働に関しては、「1日8時間以上の労働」のことを指しており、この場合は割増手当を支払う必要があります。

ただ単に8時間以上働いた場合は、「25%」。
午後10時から朝5時までの深夜労働は「50%」。
休日労働の場合は「35%」の割増を企業はしなければなりません。

ですので、勤務する際はタイムカードできちんとログを残しておくのが大切です。

なお、タイムカードが自由に使えない場合は「ブラック企業」とみなして、早めに見切りをつけておくことをオススメします。

中には「このご時世じゃ、働き先が…」と躊躇する方もいるかと思いますが、ブラック企業で体が潰れるよりは、「フリーターでスキマ時間にスキルアップに挑戦する」方が建設的でしょう。

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高野勤一
高野勤一