解雇できない!?不正休業してたのに、解雇できない理由!
2016.05.02
解雇には、一般的に解雇の意味で使われている普通解雇と、いわゆるリストラである整理解雇、懲戒処分の一種である懲戒解雇の三種類です。
解雇は、使用者と労働者の間で結ばれた労働契約を使用者から一方的に解除することですので、労働者を保護するために簡単に解雇することができないように法律で決められています。
普通解雇は、就業規則や法律などに則って適法に行われる解雇のことです。違法でないからといって簡単に解雇できるものではなく、解雇に至るまでに解雇事由をなくすために労働者に促したかどうかなども問われます。
従って、不正に休暇を取得した程度では普通解雇することは難しいです。厳重注意や懲戒処分したにも関わらず不正休業が幾度となく繰り返され、企業に対して損害が発生した場合でもない限り難しいでしょう。
整理解雇は、人員整理いわゆるリストラをするための解雇のことですので、人員整理しなければならないほど経営が悪化しているため、一人ではなく複数の労働者が解雇されることになります。
従って、不正休業による整理解雇はできません。仮に不正休業した労働者が複数おり、その結果経営不振に落ちいったとしても整理解雇による解雇は難しいでしょう。
懲戒解雇は懲戒処分で最も重い処罰です。そのため、他の解雇よりも一層厳しく制限されています。懲戒解雇では、他の解雇であれば支払われる解雇予告手当は支払われず、失業手当もすぐに受給することができないなど補償がありません。
不正休業は不正行為に該当しますので懲戒処分の対象となります。従って、不正休業した労働者を懲戒解雇できる可能性はあります。しかし、不正休業だけを理由として懲戒解雇することは難しいです。
他の労働者と比較して欠勤日数が特段多いことや、不正休業によって企業に影響が生じたことなど複数の事情が重なる必要があります。
三種類の解雇で説明したように不正休業を理由に解雇することは困難ですが、不正休業した労働者を全く解雇できないわけではありません。
対策としては第一に、不正休業であることを立証する必要がありますので、特別休暇を取得させる場合は何らかの証明書を提出させることです。第二に、不正休業が発覚した場合は必ず注意し、度重なる場合は懲戒処分することです。
これらは確実に行っておき、個々の事例に応じて追加で対策を講じる必要があります。しかし、裁判所の判断で解雇が無効とされることも少なくありませんので、不正休業をさせないことが最も大切なことです。
解雇は就業規則に規定がなければ実行することができません。従業員が多くない中小企業では就業規則自体が作成されていないこともあるので、就業規則は確実に作成することが先決です。
また、不正に休暇を取得しなければならないような職場環境も原因の一つです。必要なときに必要な休暇が申請できるような環境を作っておけば、不正休業されることもありません。そのような環境を作っておくことも使用者の義務の一つではないかと思います。
(画像はイメージです)
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