労働管理で自己申告する際にトラブルにならないために!
2015.03.28
管理者にとって従業員の労働時間の管理は一番神経を使うところだと思います。それはもちろん賃金に直結する部分だからですが、従業員間の公平性を欠くとトラブルの元となり、そのままやる気に影響が出る部分だと言うこともあります。特に重要なのは時間外労働に関しての取り扱いです。その当たりを中心に労働時間管理の要点を説明したいと思います。
まず頭に入れていただきたいのは、時間外労働は原則的に管理者の業務命令で行われるものだと言うことです。原則的にと申し上げたのは管理者が暗に要求した場合もこれに含まれると言うことです。しかしこれはトラブルの元になることは言うまでもありません。
時間外労働はできる限り明確に「何時から何時まで何時間」というように従業員に伝えるように心がけた方がいいでしょう。そのためには業務開始時間、業務終了時間はチャイムなどで明示的に知らせることをお勧めします。
また、早出で業務中に始業、もしくは業務の流れで残業と言ったことを避けるために朝礼と終礼を欠かさず行う習慣をつけることも重要です。もしその日が出張等で管理者が不在ならば、代理の者を指名してそれらのことを励行させるぐらいの慎重さが必要です。
次に時間外手当についてですが、勤務日に労働時間が休憩時間を含まず8時間以内で22時以前もしくは5時以降であれば手当がつかない通常残業ですのでご注意ください。
時間外労働については管理者の業務量把握のためにも、明確に証拠を残す意味でも、従業員に報告させる必要があります。会社によって報告書の書式は違うと思いますが必要な項目は同じかと思います。もし書式を決めていないようでしたら従業員個人個人の書き方で内容が異なる可能性がありますので是非決めていただきたいと思います。
必要な項目はまず従業員番号と氏名です。経験上一番抜けやすい項目は実はこの部分で、報告してもらったけれども誰のものか分からないので困ったことはよくある話です。また悪筆の方や同姓同名の方も居られますので従業員番号も記入させるようにしてください。
次に日付、時間外開始時間と終了時間そして時間外労働時間です。また可能ならば、理由も申告させた方がいいと思います。これは報告させることが目的の一つなのですが、なぜ時間外が発生したのかを自分で考えてもらうためです。
このように報告させることによってトラブルの発生を未然に防ぐことが出来ると思います。これは、時間外労働だけではなく、遅効、早退、欠勤でも同じことが言えますのでご注意ください。最後にこの報告を勤怠管理表に必ず転記するようにしてください。
今まで申し上げたような管理をしていても時間外の報告を自己申告に頼らざるを得ないケースも出てくるでしょう。原則的に時間外労働は管理者の時間査察が必要ですが、それが出来ない場合は自己申告によって報告してもらう必要が出てきます。
そのケースを想定して事前に自己申告の際に勤務した実態を正確に報告する必要のあることを従業員に周知させておく必要があります。また自己申告と実際の労働時間との間に差が無いかチェックする必要があります。タイムカードや出勤簿などとの比較で差がある場合は直接本人に聞く必要があります。
いずれにしろ十分に実態を調査しその上で管理者も従業員も納得できる着地点を見つける必要があります。そのためには日頃からの従業員との信頼関係を築いていることが重要です。また今まで述べた様な時間管理を徹底し虚偽の申告を許さない職場だという認識を従業員に持ってもらう必要もあると思います。
飲食業のようなチャイムや朝礼・終礼による時間管理が馴染まない職場では、管理者が従業員の行動を十分に把握しておく必要がありますのでご注意ください。この場合でも時間外勤務は明確に業務命令するように心がけてください。
トラブルを避けるために時間外勤務は明確に業務命令してください。報告書に従業員番号、氏名、日付、時間外開始時間、終了時間、時間外労働時間、理由を記入させるようにしてください。
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