残業手当ってどのくらい支給されるの?納得する法律と計算式!
2015.03.29
残業等の時間外労働をすると手当が付きますがその計算を実務的にはどのようにしたら良いのでしょうか?
このことについて説明したいと思います。
先ず知っておいてもらいたいのは、労基法などの法律と就業規則(労働協約)の関係です。就業規則(労働協約)は法律や法令などに則った形で作られなければならず労働基準監督署に届け出る義務があります。
しかし例えば残業手当と一般に言われる賃金の割り増しについて法律はその下限を決めているにすぎません。ですから就業規則がそれより従業員に有利な形で定められているならば有利な方が優先されるのが通例です。以下は法律に定める賃金割り増しについて説明します。
(1)所定労働時間が一日8時間以下だと8時間までは割り増しはありません。
(2)8時間を超える時間外労働については25%以上割り増しになります。
(3)深夜・早朝勤務(22時以降5時まで)は25%以上割り増しになります。
(4)休日が週1日での休日出勤の場合は35%以上割り増しになります。
(完全週休2日の場合の土曜出勤などは割り増し対象外です)
(5)月60時間以上の残業の場合は50%以上割り増しになります。
これらは重複する場合があることに注意してください。つまり「8時間を超える時間外労働」+「深夜・早朝勤務」では8時間を超え22時までは25%増し22時を超えて終業までは50%増しになります。
先ず割り増しになる賃金の対象ですが、これは会社によって呼び方が違うと思いますが「基礎給与」や「基本給」と呼ばれている部分で、もし家族手当や住宅手当など基礎給与以外の部分が支給されていればこれは対象から除かれます。皆勤手当や結婚手当なども除かれますのでご注意ください。
ここでは仮に基礎給与の時間単価を「時給」と呼びます。上記の(1)から(5)までの計算式を以下に書きますのでエクセルなどで勤怠管理表を作る際の参考にしてください。
(1)時給×時間外勤務時間(8時間まで)
(2)時給×時間外勤務時間×1.25
(3)時給×時間外勤務時間×1.25
(4)時給×時間外勤務時間×1.35
(5)時給×時間外勤務時間×1.5
例えば8時から休憩1時間を含んで23時まで勤務した場合
(時給×8)+(時給×5×1.25)+(時給×1×1.5)
と言う計算になりこの金額を支払う必要があります。
管理職の場合残業手当が支給されないと言うのが世間一般での運用のされ方かと思います。しかし昨今「管理職とは」が問われ裁判所の判例でも会社側と見解が異なる判決が出されるケースも目立っています。
ですから一般的に「管理職」と言われる地位の人でも残業手当が出る可能性が出てきています。管理職の深夜残業については支払う必要ありとの最高裁判決が出ているので注意してください。
賃金などについて法律よりも就業規則が有利な場合は就業規則が基礎となります。残業手当は重複項目がありその分が加算されます。管理職でも深夜残業手当の支給が必要になります。
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