労働契約書以外の条件が記載されている?知っておこう就業規則!
2015.05.25
労働契約書に記載されている内容は就業規則の内容と合致しているのが当然のことだと思いますが、労務管理の専任者を置かない中小企業では注意する必要性が大きいです。
就業規則は労働基準監督署に届け出をし、従業員に周知した時点で法的拘束力を持ちます。労基法106条でも規定されていますが、周知義務があることは労使ともに念頭に置いていただきたい事項です。
労務管理がしっかりしている企業ではあまりないことかもしれませんが、中小企業などでは労働者が就業規則が閲覧できないということがよくあります。これは必ずしも見せられないからではなく専任の労務管理担当者がいないために仕事が追いついていないという側面があるのかもしれません。
しかし、就業規則を1冊事業場の誰もが閲覧できる場所に設置しておけばそれで周知したことになりますので、その方法を採られても良いかと考えます。
就業規則が務めている事業場で閲覧できない場合でも、従業員の求めに応じて開示する義務が使用者側にはあります。就業規則は労働基準監督署に会社が届け出ているはずですので、就業規則閲覧申請書に閲覧事由、借受期間、借り受ける人の所属や氏名などの事項を記入し当該労働基準監督署長宛に出せば閲覧可能になります。
特に所定労働時間や賃金の項目が契約と食い違いがないかを確認する必要があると考えます。仮にそういった項目が労働契約上で不利益変更されている場合でも法的に無効となり就業規則が優先されます。もちろん労基法なとの法令が最優先で適用になりますのでご注意ください。
設立間もない会社などでは就業規則の制定など労務管理上の事務が追いついていないことが考えられます。また本来社労士事務所などと契約してコンプライアンスを考えた就業規則を制定することが望ましいけれども様々な事情でできていないケースもあるでしょう。
例えば、厚生労働省のサイトにある「モデル就業規則」や社労士事務所のサイトなどにある雛形やテンプレートなどを参照されてはいかがでしょうか。必要十分な項目がそろっており、自社の事情に合わせて書き換えて使ってみるのも1つの手段かと思います。
就業規則は労働基準監督署に届け出した上に従業員に周知する義務があります。就業規則の周知は事業場に1冊設置するだけでも義務を果たしたことになります。就業規則はインターネットで雛形やテンプレートを入手できます。
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