女性労働者のための休暇制度!生理休暇について知っておこう
2016.03.02
生理休暇は、労働基準法に定められた女性労働者であれば取得することができる休暇制度で、生理によって業務の遂行が著しく困難な場合に申請することができます。従って、生理だから休暇の申請ができるというわけではありません。
業務の遂行が著しく困難な状況にあるかどうかは労働者の判断によりますので、生理休暇を申請するときに診断書の提出を求められることはありません。
生理休暇の申請は申請書を提出するのではなく、口頭で行うのが通常であるため、男性の上司であれば話しにくいことが多く、業務の遂行が著しく困難な状況にあっても、無休で勤務するか、年次有給休暇を利用する女性労働者が大部分を占めています。
女性の上司や女性だけの職場であれば話しやすいですが、申請しやすいとは限りません。生理について理解があるために、取得すると印象が悪くなることもあるようです。
実際、生理休暇の取得率は高くありません。ある会社が独自に行ったアンケートでは約8%しかおらず、いかに申請が難しい状況にあるかわかります。
生理休暇中の給料を有給とするか無給とするかは、法律に特段の定めはないため企業に委ねられています。無給の場合であっても欠勤扱いとせず、賞与額の査定には影響しない企業もあります。
有給にしている企業においては、年次有給休暇と生理休暇は制度が異なるため、生理休暇を取得しても年次有給休暇の日数が減ることはないので、不正取得する労働者もいるようです。
生理は体調や精神状態によりますが、通常周期的にやってくるものです。従って、生理休暇はある程度毎月同じような日にちに取得するようになるはずですが、労働者の中には不定期に取得する者もいるようです。
制度を悪用された場合に企業がその労働者を懲戒処分できるかどうかは、セクハラなどの関係で現実厳しい状況にあります。仮に同僚の証言など証拠があったとしても懲戒処分することは難しいでしょう。
生理休暇をするためには以下の条件を満たす必要があります。
・生理で就業が著しくこんな状況にありますか?
□YES □NO
・生理休暇を取得して私用を済ませる、または余暇を楽しもうとしていませんか?
□YES □NO
・生理休暇を取得したい旨を申し出ましたか?
□YES □NO
以上すべての項目がYESだった人は生理休暇を取得することができます。
生理痛がどの程度であるかは本人にしかわからないため、生理休暇を取得することは甘えと考えている人が多いことや、企業が詮索しにくいことを理由に不正取得して旅行に出かける労働者もいるため、生理休暇が本当に必要な労働者が申請できていない状況にあります。
生理休暇の制度そのものをもっと法律で明確にし、本当に取得したい人が、取得したいと言えるような職場環境の整備、他の労働者の理解を進める必要があると思います。
(画像はイメージです)
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