けがをして休んでしまいます!休む際に知っておくべき、期間、制度、社会保険

2016.02.29
うつ病も労災適応の時代

このコラムをご覧の皆さんの会社には「休職制度」という制度があるかと思いますが、会社によって異なっているのが通常です。休職制度とは、数ヵ月の休職期間を設けることができ、その間の報酬については、形は違いますが得ることができるという制度です。

通常は、勤続年数が長くなると、休職期間も長くなるようになっていることが一般的です。もちろん、制度を準備していない会社も存在しますので、皆さんも会社の就業規則などを調べてみてはいかがでしょうか。

傷病(うつ病を含む病気や怪我)による休職時の報酬は、
1. 給与がそのまま継続するという制度(3ヵ月から1年半程度、60~100%の報酬など、各企業が独自に決めています)
2. 労災が適応する場合(うつ病も適用範囲に入ってきました)
3. 傷病手当の手続きをする場合(うつ病を含む病気や怪我)
の3つがあります。

免除されない社会保険を補う救世主

その一方で、社会保険料は免除されません。休職前と同じだけの負担がかかってしまいます。これは、被保険者としての資格(=労働者としての身分)がなくなったわけではないからです。

そして、たとえ給料がゼロであっても、社会保険料は給料の額を基本にして算出した標準報酬月額に保険料率をかけます。つまり、この標準報酬月額が下がらない限り保険料も下がりません。標準報酬月額を下げるためには条件があって、休職期間中にはその条件を満たすことができないのです。

ですが、社会保険には「傷病手当金」という労働者にとっては救世主的な制度もあります。社会保険に加入している人が、業務外の怪我などが原因で休職した場合には、この傷病手当金が支給されます。傷病手当金の額は給料の約3分の2です。支給期間は1年半です。休職期間中の社会保険料や税金について簡単にまとめると、

1. 厚生年金・・・休職前と同じ額の負担になります。
2. 健康保険・・・休職前と同じ額の負担になります。
3. 雇用保険・・・かかりません。
4. 労災保険・・・かかりません(全額会社が負担します)。
5. 所得税・・・・かかりません。
6. 住民税・・・・前の年の収入に対して課税されます。

業務が原因での休職は「労災保険の休業補償給付」、業務外での怪我などによる休職は「健康保険の傷病手当金」で生活保障されます。念のために言いますが、請求するのを絶対に忘れないでください。請求しなければもらえません。

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高野勤一
高野勤一