懲戒処分前に知っておくべき通知方法と手続き
2016.02.01
雇用主が従業員に対して懲戒処分をくだすまでの主な流れは以下の通りです。
①不祥事の発生
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②事実関係の調査(当事者や関係者への聞き取り調査)
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③懲戒事由(罰則の部分)について確認(主に就業規則)
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④懲戒処分(量刑)について検討
この場合、過去に企業内で発生した懲戒処分の履歴なども参考の対象となります。
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⑤就業規則に記載された手続きを適正に行う
主に懲罰委員会の諮問や、処分対象者への弁明機会の付与などです。
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⑥処分内容の決定
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⑦本人への通知と懲戒処分の実施
懲戒解雇については、解雇の理由となる事由と、それに対する懲戒の種類や程度が就業規則に明記されている必要があり、該当する就業規則が従業員に周知されている必要があります。就業規則に定義がない事由で従業員を懲戒解雇することはできませんし、そもそも就業規則を作成していない企業では、従業員を懲戒解雇すること自体が法律上許可されていません。
その理由として、雇用主の胸先三寸・思いつきで懲戒処分を受けるような状況下では、従業員は安心して働くことができないため、労働基準法では就業規則に定めがない懲戒処分を禁じているのです。
万が一、皆さんの会社で懲戒事案が発生した場合は、ただちに従業員本人や関係者から事実関係を聞き取り、事実関係を把握する必要があります。場合によっては、従業員本人を自宅待機とする対応も考えておいたほうがいいでしょう。ただし、懲戒処分の「出勤停止」とは異なります。賃金を支払わない自宅待機については別途検討が必要となります。
懲戒解雇=即時解雇で、解雇予告は必要ないと誤解されることもありますが、労働基準監督署の解雇予告除外認定を受けない限りは、解雇予告もしくは解雇予告手当の支払いは必要となります。労働基準法によると、雇用主が労働者を解雇する場合は、少なくとも30日以上前に予告するか、30日分以上の平均賃金を支払う必要があります。また、平均賃金を何日分か支払う場合は、その分、予告期間を短縮することができます。
ただし、解雇予告手当には遡及支払は認可されません。即時解雇する時は、通知と同時に、予告と予告手当の支払を併用する時は解雇の日までに支払うこととされています。何の事前通知もなく突然解雇を言い渡した場合、従業員側が「不当解雇である」と訴える可能性は大いにあります。事前通知は必ずしておきましょう。
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