外国人を雇う上でのリスクはあるの?また罰則は?トラブルはどのように対処すればいいの?

2015.05.15
はじめに

外国人の労働者の数が年々増え続けており、厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況調査」では2014年には78.8万人となっています。それにともなって外国人労働者とのトラブルも多くなってきているのではないでしょうか?

外国人労働者の要件

外国人を労働者として雇用する場合には就労可能な在留資格を持っている必要があります。中長期の在留資格を持つ外国人には在留カードが発行され、就労制限の有無が記載されています。

もちろん旅行者、留学者、研修者などには就労が認められません。しかし短期滞在や観光目的で入国しそのまま留まりオーバーステイ(不法滞在)し就労するという不法就労が後を絶たないのが現状です。この場合外国人は在留資格を取り消される可能性が有ります。

不法就労には入管法で「不法就労助長罪」という罰則があります。使用者が不法就労外国人であることを知らないで雇用した場合でもその可能性があり確認を怠ったとして3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金という処罰が科せられる可能性があります。

雇用される際には必ず在留カードで在留資格を確認する必要がありますのでご留意ください。

外国人労働者雇用のリスク

外国人であったとしても労働者であるかぎり労基法などの労働関係法規の適用下に有ることにご留意ください。もちろん都道府県ごとに定める最低賃金の適用も受けますので決して安い労働力という認識で採用することは出来ません。

また外国人労働者が逃亡するという事例も多くあります。これを防ぐ目的でパスポートを取り上げ事業主が保管するというケースも耳にしますが、これは労基法の強制労働に該当しますのでご注意ください。

この場合そのリスク回避のために複数の身元保証人を取るということで対処するという例もあるようです。しかしあまり厳しすぎても採用できないということもあります。そういったリスクあったとしてもいわゆる3K職場での外国人労働者のニーズは大きいのは事実です。

外国人労働者とのトラブル

東京都の労働相談での外国人労働者の相談内容では退職・解雇・職場での嫌がらせ・労働契約・賃金不払いなどの項目が上位を占めています。特徴としては意思疎通(言葉の問題)、慣習(気質、習慣、労働慣行)などに原因があるものが多いです。

確かに日本人は日本語だけを話す人が多く、いわゆる日本人気質というものが有り独特の労働慣行も有りますのでそれがトラブルの原因となっているケースが多いと考えられます。これは一般論ですので、実際には日本人の採用と同様に本人の気質・能力などを重視した採用が必要だと考えます。

まとめ

外国人労働者も労働者ですので労働関係法規の適用下にあります。使用者は不法就労者を雇用することで罰則を受けることがあります。

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佐藤幸吉
佐藤幸吉