メタ認知力とはどんな能力?その特徴と高める方法を解説

2023.08.18

「メタ認知」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。「メタ」も「認知」もわかりにくい単語であるため「メタ認知」という言葉を聞いても難しく感じてしまいがちです。

しかし「メタ認知」は、ビジネススキルを向上させるための効果的な手段といえます。メタ認知とはどんな意味で、どのようなメカニズムで成り立っているのでしょうか。

そのほか、メタ認知力の高い人・低い人にはどんな特徴があるのか、そして、メタ認知力を鍛えて高めるためにはどんな方法があるのか、という点について説明します。

メタ認知とは?

メタ認知とは、自分自身が認知した内容を客観的な視点で眺めることを意味します。

認知とは、自分自身のまわりで起きたことについて感じ取ったり、あるいは考えたりしながら、その出来事について判断したり記憶したりすることです。

また、メタとはギリシャ語を由来とした言葉で「超越した」という意味があります。メタ認知のメカニズムについて説明すると、自分自身の認知について主観的にとらえるにとどまらず、客観的にとらえている状態となります。

メタ認知力の高い人・低い人の特徴は?

メタ認知について理解してみると「メタ認知力の高い人・低い人はどんな特徴があるのか」と疑問に思うのではないでしょうか。

ここでは、メタ認知力の高い人・低い人の特徴について説明します。

メタ認知力の高い人の特徴

メタ認知力の高い人は、物事を客観的にとらえる傾向があります。そのため、たいていの出来事では動じにくくなり、冷静に判断を下して合理的な行動をとることができます。

もし、正しい判断ができず、合理的な行動がとれなかったとしても「なぜ判断を誤ったのか、どんな行動をとれば良かったのか」と反省し、それを次の課題として取り組みます。

そして、メタ認知力が高い人ほど「失敗したことも貴重な経験」という前向きな考え方ができます。さまざまな経験を積むことによって、常に的確な判断を下して適切な行動をとれるようになり、ビジネスにおいては高い成果を得やすくなります。

また、メタ認知力の高い人ほど、相手の立場を考えながら行動します。自分中心ではなく、相手に配慮しながら行動するため、人間関係を良好に保ちやすい特徴があります。

メタ認知力の低い人の特徴

逆に、メタ認知力の低い人は物事を客観的にとらえられず、主観的に物事を考えがちです。

そのため、自分の思考や感情に正直に、いわば本能にしたがって行動しがちとなってしまいます。

メタ認知力が低いと、何らかのトラブルに巻き込まれた場合にあせりの感情を止められず、取り乱してしまうことがあります。

また、自分の感情に正直であるために、自分中心の行動をとってしまうことが多くなります。相手の立場を考えずに行動すると、相手としては迷惑な行為に感じてしまいます。

そのため、メタ認知力が低いと、社会生活を送ることが困難になることも十分にあり得ます。そのような状態を防ぐためには、メタ認知力を高める必要があります。次の項目ではメタ認知力の鍛え方について説明します。

メタ認知力を鍛える方法は?

メタ認知力を鍛えるためには「モニタリング」と「コントロール」について理解しておく必要があります。

ここでは、メタ認知におけるモニタリングとコントロールについて説明します。

モニタリング

モニタリングとは、自分自身の感情を客観的にとらえたうえで「なぜ、そのような感情になったのか」という点まで踏み込んで考えることです。

具体的に説明すると、自分自身が怒っている場合、一呼吸置いたうえで「今、自分は怒っている」という認知をします。そして「なぜ、自分は怒ってしまったのか」という理由を考えます。

ここでは、自分の中からわき上がった感情について冷静な視点でとらえることがポイントです。たとえば、モニタリングができるようになると「自分はどんなときに怒りを感じるか」ということがわかるようになります。

コントロール

モニタリングができるようになったら、次は「コントロール」の段階に進みます。

この場合のコントロールとは、自分の中から何らかの感情がわいたとき、どのように対応するかを決めておくことです。

一例としては「怒りの感情がわいたと感じたら、深呼吸をして怒りの気持ちをしずめる」という行動があげられます。

モニタリングやコントロールを習慣づけると、客観的な視点が身につくため、自分自身の感情をコントロールできるようになります。

まとめ

メタ認知力とは、自分自身を客観的な視点から眺められる能力のことです。

この能力があると客観的に物事をとらえられるため、相手の立場を考えながら行動できるほか、何らかのトラブルが発生しても冷静に判断を下して、合理的に解決することができます。

しかし、メタ認知の能力を身につけて、自分自身を客観的に眺めることは意外と難しいものです。メタ認知力を鍛えるためには、自分自身の感情に気がつき、なぜその感情がわいたのかを「モニタリング」します。

そして、その感情がわいたときにどのように対応するかを決めておき、自分の感情を「コントロール」することが重要となります。

メタ認知力は優れたビジネスパーソンに必須の能力といえます。メタ認知力を鍛えて広い視野を持ち、客観的な視点で適切な判断・決定ができることを目指しましょう。

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