明るすぎも暗すぎ良くない?仕事中の適切な明るさについて解説!
2022.10.29
オフィスで仕事をする上で、照明の明るさが「業務効率」や「体調」に影響することをご存じでしょうか。しかし明るさを最適なものにするために、一概に“こうすれば良い”と決まっている訳ではありません。
なぜなら職種や人の感覚によって、適切な明るさが異なるからです。今回は照明の明るさのルールや照明による悪影響、人と照明の相性などを見ていきます。
人にとって適切な明るさを定める際に参考になるのが、明るさの基準値です。オフィスの明るさは労働安全衛生規則である「最低照度」と、JIS照明基準である「奨励照度」が定められています。
最低照度とはオフィスで仕事をする際の、作業面での照度基準です。事務作業で細かな数字を取り扱うなどの「一般的な事務作業」は300ルクス以上、文字を読み込むなど資料を識別する必要のない「付随的な事務作業」は150ルクス以上と定められています。
※ルクス:照明の明るさを表す単位で、光が照らされている面(机など)に到達する光の量を示しています。
これは厚生労働省が定めた“最低”照度であるため、最低限の照度で設定されています。
奨励照度は快適に仕事をするために推奨している照度です。オフィスの部屋によって照度は異なり、事務室は750ルクスに設定されていて、細かな文字を確認するので、明るめに設定されています。また会議室や制御室は500ルクスで、リラックスと集中力のどちらも要するので、中間的な数値に定められています。
JIS照明基準は、様々な事柄の「標準化を図る規格」であるため、“必ず守らなければならない”ものではなく、数値は参考程度に利用するのがおすすめです。この数値通りに従うのが正解ではなく、実際にオフィスで働く人達が仕事をしやすい、快適な明るさを見極めることが大切です。
奨励照度をベースに、各オフィスに合った照度を決めていきましょう。
照明の照度基準が定められている理由は、あまりに不適切な明るさで仕事をしていると、健康・体調に影響が出る可能性があるからです。また照度は業務効率にも大きく関わってきます。
明るい照明は脳を覚醒させ、緊張感を持たせる効果があります。業務効率が上がるので、細かいデータを確認する事務作業に合っています。
しかし身体や目が疲れやすいというデメリットもあり、行き過ぎた明るさだとホルモンバランスを崩してしまう可能性があります。ホルモンバランスは、暗くあるべき時に強く明るい照明を浴び続けると崩れていきます。夜の残業で明るすぎる照明を浴び続けると、身体に悪影響を及ぼします。
明るい照明のオフィスにおすすめなのが、照明が暗めな休憩スペースを作ることです。働く人がリラックスできる空間で、身体の負担が軽減されます。
暗い照明に適しているのは、クリエイティブな仕事です。暗い空間はリラックス効果があり、良いアイデアが思い浮かぶと言われています。
ただし、リラックス効果が強すぎると、眠気に襲われるというデメリットもあります。
また照明の明るさは、来客の有無でも変えましょう。窓口機能があるオフィスでは、明るい印象をもたらす“明るめの照明”がおすすめ。
「働く人の身体」「会社の印象の良さ」の両方に配慮した照明を検討しましょう。
職種によって最適な明るさは様々です。基準値を参考にしながら、シチュエーションによって様々な照度の照明を取り付けましょう。
照明は業務効率に大きく関わってきます。“たかが照明”とあなどらず、働く人の健康・会社の印象のために適切な照度を検討しましょう。
(画像はPixabayより)
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