IT時代を生き残る!ナレッジワーカーという働き方について

2021.05.28

最近「ナレッジワーカー」という働き方が注目を集めています。

物づくりが盛んだった高度成長期を経て、多くの物やサービスに溢れかえっている昨今、肥えた目を持つ現代人は、より自分のニーズにあった商品やサービスを選択するようになりました。また、デジタル化が進み、これまで労働者が行っていた仕事はロボットやAIに任せる時代へとシフトしつつあります。

そこで必要とされるのが、ナレッジワーカーです。

この記事では、IT時代に必要不可欠な存在である「ナレッジワーカー」役割や、対義語である「マニュアルワーカー」、類似語と思われがちな「ホワイトカラー」との違いをご説明していきます。

ナレッジワーカーとは?

ナレッジワーカーとは、ナレッジ(知識)とワーカー(労働者)からなる造語であり、「知識労働者」のことをいいます。ナレッジワーカーという言葉は、1960年代にオーストラリアの経営学者ピーター・ドラッガーの著書「断絶の時代」の中で提唱されました。

ナレッジワーカーは、高度な専門知識を持ち、激しさを極める市場において、付加価値を持った優位性のある商品やサービスを提供できることが求められます。

ナレッジワーカーの具体例を下記に挙げていきます。

コンサルタント
企業や組織の抱える問題を、膨大なデータや市場を分析し、解決策を提案する仕事です。コンサルタントには、高度な専門知識や分析力、判断力などが求められる、まさにナレッジワーカーの業務です。

金融ディーラー
金融ディーラーは、クライアントから預かった株や債券、資金などを運用して利益を生み出します。

金融商品の知識のほか、世界の経済動向や市場の動き、環境問題やトレンドまでを把握できるという情報収集力が求められます。1つの出来事が金融市場にどんな影響を与えるを予測する能力や大きな資金を動かす際の決断力なども必要とされます。

ナレッジワーカーとマニュアルワーカーとの違い

ナレッジワーカーの対義語として「マニュアルワーカー」という言葉があります。

マニュアルワーカーは、決められたマニュアルに沿って作業をする労働者のことをいいます。工場や倉庫で作業服を着て作業を行う「ブルーカラー」と呼ばれる人々は、マニュアルワーカーが多いです。

高度成長期において物を大量に作り、高い生産性を上げるために、マニュアルワーカーは貴重な存在でした。しかし、IT化が進み、マニュアルワーカーが担っている仕事は、ロボットやAIへとシフトしつつあります。今後、マニュアルワーカーは、ナレッジワーカーとしての働き方を考える時代へと変化しつつあります。

ナレッジワーカーとホワイトカラーとの違い

ホワイトカラーとは、スーツやワイシャツを着て働く人々のことをいいます。オフィスでスーツを着て働くという点はナレッジワーカーと同じですが、仕事内容に大きな違いがあります。

ホワイトカラーには、一般事務などの単純作業のほか、労務・人事のような知識を必要とする仕事まで、その仕事内容は多岐にわたります。

しかし、ナレッジワーカーは、知識を活用して作業をこなすほか、与えらえた仕事以外にも、現状の問題を解決したり、「付加価値」のある商品やサービスを新しく生み出したりするという点が、ホワイトカラーとの違いであるといえます。

まとめ

物を大量に生産し消費する時代が終わり、人々は高い価値や希少性のある物やサービスに魅力を感じる時代になりました。選びきれないほどの商品やサービスの中から、消費者の注目を集め、お金を払ってでも物やサービスを使いたいと思わせるために、企業にとっては「付加価値」が重要となります。

激しい企業間競争の中で勝ち抜くために、企業はナレッジワーカーとなり得る人材雇用に積極的に取り組み、ナレッジワーカーを育成し、働きやすい環境を整えていくことが必要です。

高度な専門知識を多く持ち、大量のデータから情報を収集できる力、そして世界経済や市場に関して常にアンテナをめぐらす洞察力を持つナレッジワーカーは、今後さらに需要が高まるでしょう。

(画像はPixabayより)

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高野勤一
高野勤一