冬にかかりやすい病気に注意!症状と予防法をご紹介
2021.04.15
冬は、春や夏に比べて病気にかかりやすい季節です。
特に、ウイルスや菌を介して罹患する感染症は、一年を通して冬に最も多く発生します。
今回は冬にかかりやすい病気と、その予防法や日頃から気をつけることについてご紹介いたします。
なぜ冬になると体調を崩しやすくなったり、病気にかかりやすくなったりするのでしょうか。その主な理由を下記に挙げていきます。
・乾燥により体の防御機能が低下するから
通常、鼻やのどから侵入したウイルスは、気道の上皮にある線毛の粘液により、絡め取られ15分以内に体外へ排出します。しかし、乾燥により線毛の粘液が正常にはたらかないことで、ウイルスを排出することが困難になります。そのため、体内にウイルスが侵入し感染症にかかりやすくなるのです。
・湿度が低いとウイルスが浮遊しやすいから
空気中に含まれる水分は、ウイルスをキャッチして地面へ落としてくれます。しかし、湿度が下がると、空気中の水分が減って、空気中を漂うウイルスが多くなり、ウイルスの生存期間も長くなります。空気中に漂うウイルスを鼻や口から吸い込むことで、体内に取り込まれ感染症を発症しやすくなります。
・室内を閉め切った状態が続くから
室温を保つため、暖房をきかせた室内を長時間にわたり閉め切っておくと、空気の循環が悪くなります。新鮮な空気が入ってこないので、室内の空気はどんどん汚れていき、そこに乾燥が加わることでウイルスは長時間漂い続けてしまうのです。閉め切った室内に複数の人がいる場合は、唾液や鼻水などを介してウイルスや菌が感染することで、病気にかかりやすくなります。
・体温の低下と共に免疫力も下がるから
冬は、体が冷たい外気にさらされることで体温が下がりやすいです。一般的に体温が1℃低下すると、体の免疫力は30%低下すると言われています。体の免疫力が下がることで、侵入してきたウイルスや菌に対して抵抗することができず、感染症にかかりやすくなります。免疫力の低下は感染症のほかにも、歯周病や下痢なども引き起こしやすくなります。
・ノロウイルス
ノロウイルスとは、感染性胃腸炎や食中毒を引き起こす原因であり、非常に感染力の強いウイルスです。一年を通して存在するウイルスですが、特に11月~2月に多く流行します。症状は、吐き気や嘔吐、下痢、腹痛、軽度の発熱が見られます。ウイルスの潜伏期間は24~48時間とされており、身体的症状は1~2日続きます。
・インフルエンザ
インフルエンザは、インフルエンザウイルスを原因とする気道感染症です。例年11月~2月ごろに流行し、38℃を越える高熱や頭痛、関節痛、喉痛、全身倦怠感などが主な症状です。風邪と比較して、症状が強く出ることが特徴です。感染力が高く、インフルエンザ脳症や肺炎などの合併症を引き起こすこともあるので、乳幼児や高齢者は特に注意が必要です。
・RSウイルス
RSウイルス感染症は、RSウイルスによる呼吸器の感染症であり、国内ではインフルエンザと同じく五類感染症に定められています。1歳までに50~70%のこどもが発症し、2~3歳までにほぼ全てのこどもが抗体を持ちます。症状は発熱や咳、鼻水など軽い症状で済みますが、まれにゼーゼーという呼吸音と共にひどい咳や呼吸困難を発症することもあります。
・ワクチン接種
インフルエンザウイルスは、ワクチンを接種し、体の中に抗体を作ることでインフルエンザの発症を抑えたり、感染しても重症化を防いだりすることができます。インフルエンザワクチンは、感染が流行する前に早めに接種することが望ましいでしょう。
・こまめなうがい手洗い
ウイルスの感染経路には、咳やくしゃみなどの飛沫を吸い込んで感染する「飛沫感染」と、ウイルス付着したドアノブや蛇口などに触れた手で、自分の口や鼻、目などを触ることでウイルスが侵入する「接触感染」があります。いずれもこまめに手洗いやうがいをすることで、ウイルスを洗い流し、感染しないように予防することができます。
・乾燥対策を行う
室内にいるときは、加湿器を使用したり、洗濯物を室内に干したりして、室内の湿度が40~60%を保つように心がけましょう。また鼻やのどを保湿するために、マスクを着用することも効果的です。
冬はインフルエンザや感染性胃腸炎のほかにも、体が冷えて血流が悪くなることが原因となり、心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる病気を発症しやすい時期です。
手洗いやうがい、加湿などの予防をするほか、こまめに運動やバランスの良い食事をとる、規則正しい生活を送るなど、生活習慣を整えることも大切です。
冬に起こりやすい病気を知り、その予防法を身につけておくことで、病気のリスクから身を守ることにつながるでしょう。
(画像は写真ACより)
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