生きづらいのはHSPだから?HSPの特性とは【HSPセルフチェック】

2021.04.10

街中の音に敏感に反応してしまう、他人の悲しみが自分のことのように思えて悲しくなってしまう、などを感じたことがある人は「HSP」という性質を持つ人かもしれません。

2020年にHSPという言葉がよく聞かれ、SNSで話題になったり、メディアで取り上げられたりもしました。最近は、5人に1人がこの「HSP」にあてはまるともいわれています。

今回はHSPの特性や4つの特徴、セルフチェック方法などをご紹介します。

HSPとは?

HSPとはHighly Sensitive Personの頭文字をとった言葉で、とても敏感な人という意味です。

HSPの概念は、1996年にアメリカの心理学者エレイン・N.アーロン博士が提唱しました。

HSPは、病名や障害と診断されるものではなく、先天的に生まれ持った「気質」や「特性」であることがわかっています。5人に1人がHSPであると考えられており、逆に5人のうち4人からは共感を得られないために、繊細な神経を持つHSPの人は生きづらく疲れやすいと感じるようです。

HSP4つの特徴

①物事を深く考えて行動する
・単純な数字の並びに意味があるのではないかと、思慮深く考え込んでしまう
・1つのことを知ると、より多くの情報を深く掘り下げて知りたくなる

➁過剰に刺激を受けやすい
・街中の音が耐え難い騒音に感じる
・光やにおい、味、気温など五感で受けるものに対して過剰に反応してしまう

③感情の反応が強く共感しやすい
・他人の悲しみを自分の感情のように受け取って泣いてしまう
・他人が怒られているのを見ると自分が怒られているような気がして恐怖を感じる

④ささいな刺激に対しての感受性が強い
・身の回りの変化に気づきやすい
・小さなミスに対し仕事が手につかないほどに落ち込んでしまう

HSPセルフチェック

HSPは世界中で認知されていますが、日本人の特徴に合わせた「「日本版HSP尺度(HSPS-J19)」というセルフチェック方法があります。今回はビジネスシーンに合わせたセルフチェック方法にアレンジしました。

1.周囲の音がうるさく、オフィスが雑然としていたり、大人数で話したりしていると不快に感じる
2.忙しい日々が続くと、とにかく1人になれる場所に逃げたくなる
3.同僚が落ち込んでいると自分のことのように落ち込んでしまう
4.短時間のうちに電話がなる、来客がある、急ぎのメールが来るなどが一気に起こると気が動転する
5.オフィスのレイアウトが変わったり、使い慣れたペンが変わったりするだけでも混乱する
6.職場で「細かいことを気にしすぎ」「もっと積極的に」と言われるが、子どもの頃から言われ続けている
7.いい音楽を聴いたり素敵な芸術作品、美しい景色を見たりすると深く感動してしまう
8.口では言い表せないような微妙な色合いや繊細なタッチのデザインを好む
9.一度に多くのことを頼まれるとイライラする
10.会社の廊下や道端などで不意に声をかけられたり、突然人が現れたりするとビクッとする
11.明るい照明やにおいのきつい食べ物、ゴワゴワした服にゾッとする
12.叱責されるなどの強い刺激に弱く体が固まってしまう
13.ここぞというときに緊張して本来の力を発揮できない
14.頭痛や腹痛などの痛みに敏感
15.自分が正しいと思うことを行い、常に自分に誠実でありたいと思う
16.じっくりと物事を考えたり想像したりする豊かな時間が好き
17.「〇時までに急ぎで仕上げて」など急かされると冷静さを失いオロオロしてしまう
18.ドアがバタンと閉まる音、椅子を引く音、誰かを呼ぶ大きな声などオフィスの大きな音が嫌い
19.人の出入りが激しく立ったり座ったりしている、上司が状況を早口で説明している、などのせわしない状況が不快

HSPかどうかの正式な診断方法ではありませんが、HSP気質にあてはまるかという参考にしてください。

自分がHSPだと思ったら

HSPである自分を肯定する
まずはHSPである自分を受け止め、人とは違う自分を否定せずに認めてあげましょう。

HSPの人は自己肯定感が低いという特徴があります。そこで、人はみんな違う性質を持っているから、HSPは欠点ではなく特性であると肯定すると、自己肯定感を高めることにつながります。

他人との境界線を作る
HSPの人は、他人の感情を自分のことのように感じてしまい、毎日の生活が疲れてしまいます。

他人との間に境界線を設け、自分のパーソナルスペースをしっかりと保ちましょう。1人の時間を確保し、他人の感情から影響を受けない時間を作りましょう。

思慮深さを活かす
物事を深く考え込んでしまうことを、短所ではなく長所へと変換しましょう。何気ない数字の並びが気になることを活かして、何かを研究するとスキルアップにつながります。また、人の感情を自分のことのように感じてしまうのであれば、小説や詩を書くのもよいかもしれません。

まとめ

HSPの人が持つ繊細さは、日常生活や仕事に影響を及ぼし、本来のパフォーマンスを発揮できないこともあるかもしれません。

しかし、人に比べて迅速に状況の変化に気がついたり、他人の感情を注意深く読み取ったりすることができる人は、危険を回避できるというよい面を持っています。HSPの特性があることを否定せず、自分にしかできない強みを持った人間だと肯定的に捉えてみてはいかがでしょうか。

(画像はPixabayより)

記事をシェアする

高野勤一
高野勤一