安定雇用のカギとなるエンプロイアビリティとは?

2021.03.30

元々日本では、新卒で入社した会社で定年退職するまで働くという働き方が当たり前とされていました。しかし現在は、以前よりも多様な働き方が認められ、転職を繰り返したり、派遣やアルバイトを掛け持ちしたりして自由に暮らす人が増えつつあります。

今回は、時代と共に移り変わっていく労働市場の中で、安定的に雇用されるために必要な「エンプロイアビリティ」についてご紹介します。

エンプロイアビリティとは?

エンプロイアビリティ(Employability)とは、「雇用されるために必要な能力」を意味する経済用語です。1980年代のアメリカで生まれた言葉であると言われています。

当時のアメリカは、物価が上昇しているにもかかわらず、雇用者数と賃金が減少する「スタグフレーション」が起こり、従業員を長期雇用することが難しい状況でした。そのような時勢の中、会社を辞めてもすぐに他の企業に雇ってもらうための能力とされる、エンプロイアビリティが注目されたのです。

エンプロイアビリティの要素

エンプロイアビリティは、以下の3つの要素で構成されています。

1.能力
仕事の専門知識や経験、技術、資格など

2.行動特性
仕事をする上でのモチベーションや協調性、コミュニケーション能力、積極性など個人が仕事をする上での行動特性

3.性格
温厚、負けず嫌い、自信家など個人の性格的特徴

安定雇用に必要な4つのエンプロイアビリティ

1.絶対的エンプロイアビリティ
絶対的エンプロイアビリティとは、社会情勢や景気に流されず、安定雇用されやすい仕事上の能力のことを指します。具体的には、医者や弁護士、会計士、教師などの資格を持っている人です。

ただ絶対的エンプロイアビリティは高度な専門知識が必要なため、身につける際は、膨大な勉強量や努力が必要となります。

2.相対的エンプロイアビリティ
相対的エンプロイアビリティは、時代の需要と供給に合わせて相対的に必要となる仕事上の能力のことを指します。分かりやすい一例に、電話交換手があげられます。

電話交換手とは、1890年代から1960年代の間に存在した電話回線を接続する仕事のことです。かつての電話は、電話番号が存在せず、電話交換手に相手と自分の電話線をつないでもらい、通話をしていました。

しかし第三者が介入しなくても電話ができるダイアル式の電話を持つ人が増えたことがきっかけで、電話交換手の仕事は無くなってしまったのです。

このように、相対的エンプロイアビリティは、時代の流れと共に開発や淘汰が繰り返されます。そのため時代の流れに合わせて、柔軟に能力をアップデートしたり、新たに身につけたりする必要があります。

3.内的エンプロイアビリティ
内的エンプロイアビリティは、同じ会社や組織で長期間雇用され続けるために必要な能力です。功績を残し続けるだけでなく、その組織や会社でしか使えないような専門的な知識や経験を豊富に持っていることが重要となります。

4.外的エンプロイアビリティ
外的エンプロイアビリティは、他社に転職したり別の部署に異動したりとしても、その場所にうまく適応し、元々所属していた場所と同じくらいの力を発揮できるような能力のことを指します。どの組織でも通用する普遍的な能力や、幅広い知識を持ち合わせる必要があります。

まとめ

今回は、エンプロイアビリティの概要や要素、種類についてご紹介しました。エンプロイアビリティは、雇用されるために必要な能力や行動特性、性格のことです。

エンプロイアビリティには、「絶対的エンプロイアビリティ」「相対的エンプロイアビリティ」「内的エンプロイアビリティ」「外的エンプロイアビリティ」の4種類があります。

求められるエンプロイアビリティは、企業や組織によって異なりますが、いずれかのエンプロイアビリティを身につけることによって、転職を繰り返したり不況に直面したりしても安定的に雇用されやすくなります。

(画像はぱくたそより)

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高野勤一
高野勤一