イライラや怒りを抑えるアンガーマネジメントとは?

2021.02.05

すぐに怒鳴り声を上げたり、感情的になったりする社員に悩まされてはいませんか。怒りの感情を制御できない人が1人でもいると、オフィス全体がギスギスとした雰囲気になり、業務が円滑にすすまなくなってしまいます。

今回は社内の空気を和やかにし業務を円滑にすすめるためのカギとなる、アンガーマネジメントについてご紹介します。

アンガーマネジメントとは?

アンガーマネジメントとは、「自分の要望が通らず怒鳴ってしまった」「些細なことでついカッとなってしまった」といった衝動的な怒りをコントロールするためのトレーニングのことです。1970年代のアメリカで生まれたとされています。

もともとは犯罪者やDV加害者を更生させるために活用されていましたが、現在は青少年の教育や企業研修にも導入されています。

怒りを制御しにくい4つのタイプ

怒りの元は、さみしい、むなしい、悲しいといった一次感情です。そしてそれらの感情が抑えきれなくなったとき、二次感情である怒りが表れるといわれています。人の怒り方はさまざまですが、以下の4つの怒り方に当てはまる人は特に怒りの制御が難しいとされています。

1.いちど怒りだしたら中々止まらないパワハラタイプ
いちど相手に怒りを感じてしまったら、自分の気が済むまで相手を怒鳴りつけてしまうタイプです。周囲の人が白い目で見ていたり、相手が反省していたりしてもお構いなしに怒鳴り続けるため、知らず知らずのうちにパワーハラスメントやカスタマーハラスメントなどを行ってしまう恐れがあります。

2.いちどされたことは忘れない粘着質タイプ
いちどされた嫌なことは決して忘れず、思い返してはイライラしてしまうタイプです。何十年という時が経っていることでも水に流すことができないため、積年の怒りによる精神的なストレスで自分を追い詰めたり同じことで何度も相手を怒ってしまったりすることも多いです。

3.些細なことでイライラしてしまう怒りん坊タイプ
小さなことですぐにイライラしてしまうタイプです。「怒りん坊」や「いらち」と呼ばれる場合もあります。常にイライラしているため、周りの人に不必要な気を遣わせてしまったり、孤立してしまったりする場合もあります。

4.人や物をすぐ攻撃してしまうバイオレンスタイプ
怒りを感じると、人に暴力を振るったり、物を投げたりして怒りを解消しようとするタイプです。怒りの矛先が他人や物ではなく自分自身に向く場合、自傷行為やヤケ酒に走ることもあります。

アンガーマネジメントを用いて怒りを抑える方法

アンガーマネジメントでは、以下の方法を用いて怒りを制御していきます。

怒りを6秒我慢する
怒りを感じたら、目を閉じて深呼吸したりその場から離れたりして、6秒間怒るのを我慢しましょう。怒りのピークは約6秒といわれているため、怒り任せて暴言を吐いたり衝動的な行動を取ったりするのを防げます。

~するべきという考えを捨てる
怒りを抑えるためには、「~するべき」という考え方をなるべく持たないことが大切です。「集合時間の10分前には待ち合わせ場所に到着しておくべき」「飲み会では部下が上司にお酒を注ぐべき」という考え方自体、完全に悪いというわけではありません。

しかしそのような考え方が強すぎると、自分が「~するべき」と思っていることができていない他人を見ると許せなくなり、不必要にイライラしてしまう恐れがあるのです。

そのため「~するべき」という考え方をしてしまう人は、「~しておけば大丈夫」という思考に切り替えましょう。

一次感情に目を向ける
自分がどうして怒っているのかが分からない人は、自分の考えていることや嫌だったことをノートに書き出し、自分の怒りはどのような一次感情が原因なのかを分析してましょう。

自分を客観的に見つめられるため、衝動的な怒りが解消され、怒りの原因を冷静に対処できます。

まとめ

今回は怒りの感情を制御する手法「アンガーマネジメント」についてご紹介しました。アンガーマネジメントを学べば、自分自身の怒りを制御できるため、暴言や暴力などの怒りによる衝動的な行動を防げます。

社員の中に怒りの制御がしにくい以下の4タイプのいずれかに当てはまる人がいる場合は、社内研修でアンガーマネジメントを取りいれることをおすすめします。

・いちど怒りだしたら中々止まらないパワハラタイプ
・いちどされたことは絶対忘れない粘着質タイプ
・些細なことでイライラしてしまう怒りん坊タイプ
・人や物をすぐ攻撃してしまうバイオレンスタイプ

社内でのパワハラ行為や無用な言い争いを減らせるので、業務効率化や社員のストレス軽減につながります。

(画像はぱくたそより)

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高野勤一
高野勤一