平成22年から始まった育児短時間勤務とは?
2020.12.04
育児休業を利用すれば、子供が1歳になるまで休業できますが、それ以降は家事と育児を両立することになります。仕事を辞めて育児に専念するという選択肢もありますが、これまで積み上げてきたキャリアを諦めて、新しい仕事を探すのはとても大変なため、それを選択できる人はそう多くはありません。
育児休業を終えた人が育児をしながら快適に働くにはどうしたらよいのでしょうか?今回は、そんなパパやママを支援する育児支援制度の1つ、「育児短時間勤務」についてご紹介します。
育児短時間勤務は、子供が3歳になるまでの間、1日あたりの所定労働時間を8時間から約6時間に短縮する制度です。
従来の育児・介護休業法では、時間短縮勤務や残業の免除などの中から1つ選んで採用することが義務づけられていました。しかし平成22年の改訂により、3歳までの子育て中の親は育児短時間勤務と、希望すれば残業を免除されることが義務化されました。
育児短時間勤務は、以下の条件に当てはまれば、原則利用可能です。専業主婦や専業主夫の配偶者がいる場合でも、制度を利用できます。
・3歳未満の子供を育てている労働者
・1日あたりの所定労働時間がもともと6時間以上であること
・日雇い労働者ではないこと
・育児休業中でないこと
・労使協定の締結により、適用を除外されていないこと
ただ、前述の条件をクリアしていても、以下の条件に当てはまる場合は制度を利用できません。
・雇用されてから1年未満の労働者
・1週間の所定労働日数が1日以下の労働者
・仕事の性質上、育児時短制度の採用が困難
育児・介護支援制度の本来の目的は、社員が働きながら子育てできる社会作りです。そのため、企業は制度が利用できない労働者に対しても、労使協定締結や配慮によって、育児短時間勤務を採用できるよう心がけましょう。6時間勤務が難しい場合は、隔日勤務や所定労働日数の減少などの措置を取り、労働者の子育てを支援していくことをおすすめします。
育児短時間勤務の手続きや取得条件は、企業によって異なりますが、厚生労働省は、制度を利用しようとしている人の負担とならないよう、配慮することを企業に求めています。
例えば制度利用の申し出を利用1ヶ月前までに行うことを義務づけるのは問題ないですが、制度利用期間を1ヶ月単位とするのは、利用者の負担となるため不適切とされています。
当然ですが、制度利用者に対しての不当解雇やハラスメント、減給は育児・介護休業法で禁止されています。違反した場合は、厚生労働大臣による指導や、企業名の公表などの措置が取られます。そのため、このような行為を会社でする人があらわれないように、細心の注意を払いましょう。
フルタイムで働きながら、育児をするのはとても大変です。厚生労働省はこの問題を解決するために、平成21年から育児短時間勤務を施行しました。以下が育児短時間勤務の要点です。
・育児短時間勤務は3歳未満の子供を養育している人の所定労働時間を、8時間から約6時間に短縮する制度
・育児短時間勤務は利用条件に当てはまっていれば、原則利用可能
・制度の利用手続きは、企業ごとに異なる
・制度利用者に対する、不当な扱いは育児・介護休業法で禁止されている
今回は、育児短時間勤務の概要や条件、手続きの注意についてご紹介しました。少子化が深刻化する今だからこそ、企業は社員が子育てしながら快適に働ける職場環境を作っていく必要があります。社内で子育てと仕事の両立に困っている社員がいる場合は、社員に制度の利用をすすめましょう。
(画像はいらすとやより)
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