世界で広まるディーセント・ワークとは?

2020.11.21

低賃金や長時間労働、不衛生な労働環境に悩んではいませんか?劣悪な労働環境で働いていると、ストレスが溜まり身体を壊してしまう恐れあります。今回はそんな労働環境を改善する「ディーセント・ワーク」の概要や、世界や日本での取り組みについてご紹介します。

ディーセント・ワークとは?

ディーセント・ワークとは、働きがいのある人間らしい労働のことを指します。ILO(国際労働機関)は、以下の4つの条件を達成することでディーセントワークが実現するとしており、この条件を達成するために様々な取り組みを行っています。

・労働者が仕事に必要な技術を身に付け、生計を立てられるように支援すること

・労働者を社会的に保護し、安全で生産性があがるような働き方を実現すること

・企業内での問題を平和的に解決できるよう、政府と労働者、使用者間の話し合いを推進すること

・労働者の権利を尊重し、不利な立場に置かないこと

世界では低賃金労働や、長時間労働、職場内での差別等、労働者の権利が充分に保障されているとは言えない現状があります。ディーセント・ワークは、このような状況を改善するために生まれたのです。

世界でのディーセント・ワーク実現に向けた取り組み

ILOがディーセント・ワーク実現のために行った取り組みとして、以下の2つの例があげられます。

・児童労働の削減
児童労働は長時間の農作業や工場勤務、売春、ドラッグの密売など、大人でも辛い仕事がほとんどです。労働を行っている多くの児童たちは、過酷な業務のために、学校に通うことすら叶わない状況でした。

ILOは世界各国に児童労働削減および労働環境の改善を呼びかけ、60以上の国々が自国の児童労働にまつわる法律を変更しました。この取り組みが功を奏し、2000年には2億6400万人いた児童労働者は、2017年には1億5200万人にまで減少しました。

・ベターワークの推進
ベターワークとは、よりよい仕事を意味する言葉です。発展途上国では6,000万人以上の人が衣類や靴を製造する工場で働いていますが、その多くは低賃金長時間労働という劣悪な環境でした。

そこでILOは発展途上国に、工場の抜き打ち検査や労働にまつわる法律の変更、労働環境改善支援を行うことを呼びかけました。その結果ハイチ、ヨルダン、ベトナムでは労働環境が50%向上し、ハイチでは輸出額40%増加が実現しました。

日本でのディーセント・ワーク実現に向けた取り組み

日本では、日本再生戦略を通して、ディーセント・ワークを実現する取り組みが行われています。日本再生戦略とは、2012年に野田内閣が閣議決定した、少子高齢化や経済、労働にまつわる問題を解決するための戦略です。

ディーセント・ワークの実現に向けた具体的な内容としては、女性の雇用推進や中小企業の支援があげられます。

まとめ

労働者は単なる労働力ではなく、1人1人が尊重されるべき人間です。しかし世界には劣悪な労働環境の中で働いている人が沢山います。この状況を解決するためにILO(国際労働機関)は、世界各国でやりがいのある人間らしい労働を意味するディーセントワークを推進しています。

今回はディーセントワークの概要と日本や世界での取り組みについてご紹介しました。ILOや世界各国の努力により、児童労働削減や、発展途上国の労働環境改善が実現しました。日本では、女性の雇用拡大や中小企業の支援に取り組むことで、ディーセントワーク実現しようとしています。

ディーセントワークが実現すると、労働者たちのモチベーションがあがり、生産性の向上につながります。そのため、日本の企業でもディーセントワーク実現に取り組み、社員たちがより働きやすい職場環境を整えてみてはいかがでしょうか。

(画像はいらすとやより)

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高野勤一
高野勤一