勤怠管理ツールで出張中の労働時間の明確化を!

2020.08.17

みなさんは出張をするとき、どこからどこまでを「労働時間」と考えますか?「働き方改革」で、日本企業の働き方に対しての意識は変化しつつありますが、出張の労働時間に関しての課題はまだ多く残ります。出張中、目的地までの新幹線や飛行機、車での移動時間は「労働時間」とみなされるのでしょうか?また、遠方に出張に行くときなど、日帰りではなく、延泊した場合にも、「労働時間」をどこまでと捉えるかが関わってきます。今回は、この出張の労働時間をどう考えるかを考察していきます。

労働時間とは?

まず労働時間とは何か、を考えてみましょう。実は、労働基準法などの法律の中に、労働時間に関して、明確な決まりとして定義されたものはありません。実際は、過去の裁判の判例により定義されたということが正しい見解とされています。

労基法上の労働時間とは、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいう。」と定義されています。(三菱重工業長崎造船所(一次訴訟・会社側上告)事件 最一小判平12.3.9 民集54-3-801より抜粋)

これを踏まえると「社員が会社の命令下に置かれている」状態であれば、実際の業務を行っていなくても「労働時間」と考える例が一般的です。

移動時間は労働時間か?

出張に伴う移動時間は、会社からの命令に基づいて発生します。しかし過去の判例では、出張時の移動時間は、通勤時間と同一性質だと考えられた例がありました。

「出張の際の往復に要する時間は、労働者が日常の出勤に費やす時間と同一性質であると考えられるから、右所要時間は労働時間に算入されず、したがってまた時間外労働の問題は起こり得ないと解するのが相当である。」
(日本工業検査事件 昭46.1.26 横浜地裁川崎支部決定より)

過去の判例で、移動時間は労働時間にはあたらないと通達された例が他にも存在します。しかし、これらの通達の多くは、昭和時代のものであり、現代のビジネスパーソンは、ほとんどの人がパソコンやスマートフォンを所持しています。移動中の新幹線や飛行機の中で、パソコンを立ち上げて報告書を作成する時間は、れっきとした「業務」時間とは考えられないでしょうか。

また、国内出張者の63%が日帰り出張を避けて、延泊をしたいと考えていることがHotels.com™の調べにより明らかにされています。出張を経験するビジネスパーソンにとって、日帰り出張は身体的負担が大きいことが明らかになっています。このように延泊してホテルに宿泊する場合、ホテルの部屋に戻ってから、業務報告書やプレゼンテーション資料作りをする時間もやはり「労働時間」にあたります。

昭和の時代と違い、新幹線やホテルなど、いかなる場所であっても業務を行うことができる現代では、過去の通達どおりに「移動時間ではない」と決めつけてしまうことは、労務管理が不十分であるとみなされ、会社側のリスクが大きくなってしまいます。

「勤怠管理システム」ツールで労働時間を明確に!

では出張時の労働時間管理は、どのように明確にするのでしょうか?ぜひ取り入れたいものにクラウドシステムによる勤怠管理ツールがあります。

例えば、新幹線の車内で、食事を取った後に、パソコンを立ち上げて業務を行うのであれば、パソコンを立ち上げるとともに、勤怠管理ツールで打刻を行います。そして仕事が終われば、また業務終了の打刻をするのです。勤怠管理ツールを用いる方法なら、新幹線だけに限らず、ホテルや待機時間のカフェなど場所を問わず労働時間の申告ができます。

業務管理ツールの利用により「今は業務中だ」という心理状態になり、上司や会社の監視下にはなくとも、メリハリのある時間管理をすることができます。

いかがでしたか?これまで、出張の多いビジネスパーソンは、移動時間や体力面で負担が多くなりがちでした。しかし、出張時に成果を上げ、より満足度の高いものにするためにも労働力に見合った賃金が支払われる必要があります。

働き方改革により多様性が求められるワークスタイルに対して、便利なITツールがどんどん活用されています。会社の利益向上と、ビジネスパーソンの満足度向上のためにも、ぜひ労働時間に関して再考してみてはいかがでしょうか。

(画像はPixabayより)

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高野勤一
高野勤一